天気が悪いとクヨクヨイライラするのは気のせいじゃない!ツライ「天気痛」のカギは…実は耳!

季節の変わり目はなんだか落ち込む!


ささいなことでクヨクヨ、イライラしたり、なぜだかどうしても気力が湧かなかったり。

気候が不安定な時期は調子が出ない...という声、私の周りでよく聞くんです。

お天気が原因でおこるモヤモヤ、解決のカギを握るのは、意外にも「耳」でした!

メカニズムを解説! 教えてくれたのは▷佐藤純先生/天気痛ドクター


教えてくれるのは▷天気痛の第一人者 佐藤純先生/天気痛ドクター

気圧の変化は心と体に影響します!


天気が悪い日に、気持ちが落ち込んだり、どこかに不調を感じるのは、決して気のせいではありません !

天気と体調の関係を、日本初の天気痛ドクター・佐藤純先生が解説します。

天気に左右されやすいと分かったら、まずは気圧のセンサー「耳」を緩めて


天気の変化によるさまざまな不調はどうして起こるの?


天気の変化によるさまざまな不調を「天気痛」と名づけ、その治療に当たっている佐藤先生。

天気が悪いと、頭痛や肩凝りといった痛みを訴える人もいれば、気分が落ち込む、無気力になるといったような、メンタルの問題が起きる人もいます。

佐藤先生によれば、「天気の変化は、気圧の変化が原因。温度や湿度が変わるのも気圧が変化するからなのです。

エレベーターに乗ると耳がキーンとすることがありますね。

これは、体の中でまず気圧を感じる、いわばセンサーが耳の中にあって、気圧の変化の影響を受けるためなのです」とのこと。

そのため、エクササイズで耳の血行をよくすることで、天気による不調の改善が期待できるのだそう。

「天気が悪いと何か調子が悪い、こうした悩みを持つ人は国内で数百万人いると私は考えています。

まずは自分の不調の傾向を知って、天気が悪いときは無理をしない、天気がよくなるのを待ってみるなど、自分なりの対処法を身につけられると楽になりますよ」

耳が気圧の変化を感じると、それが脳に伝わる


耳の中には体のバランスを取るためのリンパ液が多く集まっており、このリンパ液付付近が気圧の変化を感じ取り、脳に伝える。

耳が気圧の変化を感じる→脳に伝わる→脳がストレス反応を起こす→不調が起こる


脳がストレス反応を起こし、不調が起こる


耳を通じて気圧の変化が脳に伝わった結果、痛み物質が放出されたり、自律神経が混乱しメンタル面に影響が出るなど、さまざまな不調を生じさせると考えられる。

季節の変わり目の心の不調、「3つの対処法」


▷1 天気と体調を記録してみる

記録することで、どういう天気のときに不調になりやすいかをあらかじめ知っておくことが可能に。

▷2 耳・肩・首の血行をよくする

気圧の変化を受ける耳や、耳の血流に関係している首、首を支えている肩の血流をよくするのも◎。

▷3 無理せず天気が変わるのを待つ

天気を変えることは到底無理なことなので、自分を責めたりせず、時には天気が変わるのを待つことも大切。

大ヒット本『うつヌケ』の著者・田中圭一さんインタビュー


「記録をつけて気づいた!落ちる”原因は気温の変化だった」


インタビュー 答えてくれた人▷ 大ヒット本『うつヌケ』の著者・田中圭一さん


△『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』著=田中圭一 (小社刊)

10年間のうつに苦しんだ自身の体験のほか、17名のうつ、およびそこからの脱出体験を、ドキュメンタリーコミックとしてまとめたもの。

うつのさまざまな原因や克服方法が共感を呼び、34万部の大ベストセラーに。

うつを克服したはずが、突然の気持ちの落ち込みに悩まされていた田中圭一さん。

そこから抜け出すきっかけになったのは、気温と心の調子の記録でした。

「うつリターン」の原因は激しい気温の変化だった!


「うつが抜けて楽になったと思ったら、 訪れた突然のリターンは恐怖でした」 と話す田中圭一さん。

自身の経験と人の「うつ」体験を描いた著書『うつヌケ』は、ドラマ化もされ大ヒットとなりました。

うつは急には治らないとはいえ、「落ちるには何か理由があるはず」と調べていくうちに分かったのが、「気温差」でした。

「原因が分かってからは、事前に長期間の天気を調べて心の準備をしています。

うつが長く続かない、と知っておくことが安心材料にも」

記録を取ると分かってくることも多いので、「もしかしてという人は、天気と心の状態を調べてみるといいと思います」と教えてくれました。

田中さんが天気とうつの関係に気づくまで...


【画像】長いうつトンネルから脱出!田中圭一さんの【うつの渦中にいたころに毎日つけていた気温と精神状態の記録】


長いうつトンネルから脱出!


転職し、慣れない営業の仕事をがんばったことが原因で、突然うつに。

医師に「一生治らない」とも宣告される。

うつに苦しむ中で、その原因は、「自分で自分を嫌いになったこと」と気づく。「自分を好きになる」方法で、見事うつから脱出したかに思えた。

しかしその後、うつリターン!

【自分の「ご機嫌」を記録していた】

うつに苦しんでいた期間、毎日の「気温」と、その日の「精神状態」をエクセルに 記録。

表のセルを、すごくつらい日は「 赤 」、ややつらい日は「オレンジ」、普通の日は「ブルー」で色分けしていたそう。

うつりターン!


気温差がうつリターンの原因と気がつく!


気温差がうつリターンの原因と気がつく!


「ご機嫌」をつけていたエクセルをグラフ化してみたところ、3月、5月、11月に大きな谷があることを発見。

季節の変わり目の気温差が原因と気づいてからは、体調の予測が立てられるようになった。

「つらいのは天気のせいだからいつか終わる、と思うとラクになりました」

うつヌケ!


現在は、「快適な日」を なるべく増やす工夫を。


現在は「快適な日」をなるべく増やす工夫を


週間天気予報を見るなどして、気温の変化によるダメージは予測できるように。

散歩など軽い運動を始めたのも効果があったそう。

「うつうつとして何もできない日ってもったいない。

できるだけ快適な日を増やすことは、今の自分にとっては寿命を延ばすことと同じなんです」

天気の悪さによる心の不調を軽くするエクササイズ


天気の悪さによる心の不調を軽くする、「耳・首・肩ほぐし」


気圧の変化の影響を受けやすい耳や、耳に関係してくる首や肩をほぐすことで季節の変わり目の不調がぐんと楽に !

簡単にできるものばかりなのでぜひお試しを !

なぜ、耳・首・肩をほぐすの?


なぜ、耳・首・肩をほぐすの?


気圧の変化をいちばん受けやすい耳、耳 に血液を送っている首、さらにその首を支 えている肩をほぐすことで、耳から肩全体の血行がよくなります。

天気が悪くなりそうなときに耳ほぐしをするだけでも血行が 改善されるそう。

耳ほぐし STEP▷1 耳を引っ張る


上、下、横、それぞれに向けて耳を引っ張ります。

気持ちのいい強さで上へ。


気持ちのいい強さで上へ。(5秒キープ)

同様の強さで下へ。


同様の強さで下へ。(5秒キープ)

最後に真横にも。


最後に真横にも。(5秒キープ)

耳ほぐし STEP▷2 横に引っ張りながら後ろに回す


耳を横に引っ張りながら後ろに大きく回します。

大きく円を描くように。


大きく円を描くように5回。

耳ほぐし STEP▷3 耳を折り曲げる


親指と人差し指で耳を挟み、上下半分にぴったり折り曲げます。

そのままの状態で キープを。


そのままの状態で5秒キープを。

耳ほぐし STEP▷4 耳全体を覆ってゆっくり回す


両耳をそれぞれの手で覆ってそのまま後ろに回します。

ゆっくり大きく円を 描くように。


ゆっくり大きく円を描くように5回。

首ほぐし STEP▷1 タオルを首に掛け、片手で固定


タオルを首に掛け、片手で固定。


フェイスタオルなどを首に掛け、片側の端を手で持って固定します。

首ほぐし STEP▷2 頭の出っ張りにタオルを掛ける


1と反対側の端を持ち、後頭部の出っ張りに引っ掛けます。

頭の出っ張りにタオルを掛ける。


耳の後ろの大きい骨に引っ掛けるように。

首ほぐし STEP▷3 タオルを斜め上方に引っ張る


タオルを頭蓋骨に沿わせるようにして引っ張ります。

そのまま10秒キープ。

反対側も 同様に。

タオルを斜め上方に引っ張る。


首の後ろ側の、首と 頭の境目にあたる部分が伸びる感覚があればOK。

肩ほぐし STEP▷1 部屋の角に立つ


部屋の角を向いたら、角から30cmほど離れて立ちます。

足は肩幅くらい開いて。

部屋の角に立つ


肩ほぐし STEP▷2 前に倒れる


手を壁につけ、そのまま腕の力で体を30度ほど前に倒します。

前に倒れる


肩ほぐし STEP▷3 腕の力で戻る


肩甲骨を意識しながら、腕の力だけを使い、素の位置に戻ります。

胸を張りながら、猫背にならないように。

腕の力で戻る。


落ち込む季節は生活習慣にも注意!


落ち込む季節は生活習慣にも注意!


耳や首、肩をほぐす以外に、日常生活で、朝食を必ず食べる、長くゆっくり湯船につかる、体を冷やさない、といったことに気をつけるのも有効です。

「さらに寝る前の30分はPCやスマホをいじらないようにしましょう」(佐藤先生)

編集部 志村より


耳ほぐしをやってみたら、耳がじんわり温かくなりました。

テレビを見ながらでもできるし、仕事中の気分転換にもなりそう!

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Information

イラスト/にしぼりみほこ 編集協力/長谷川 華 デザイン/Beeworks

天気と体調の関係を教えてくれたのは▷天気痛の第一人者 佐藤純先生/天気痛ドクター。
名古屋大学教授を経て愛知医科大学医学部客員教授。2005年に日本初の「天気痛 外来」を開設。

インタビューに答えてくれたのは▷田中圭一さん
『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』 (小社刊)

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