子どもが自発的に勉強したくなる「計トレ」 ぬまっち流自分で伸びる小学生の育て方(2)

#育児・子育て 

ここ数年、教育の分野で注目を集める「アクティブ・ラーニング(参加型学習)」をご存じですか? この世界標準の教育法をいち早く日本で実践してきたのが、テレビも珍百景として紹介された「ダンシング掃除」や、やる気スイッチをONにする「内閣制度」などユニークな参加型学習を生み出した東京学芸大学附属世田谷小学校教諭ぬまっち先生こと、沼田晶弘さんです。自分で楽しみながら考えることで、自然とコミュニケーションスキルが磨かれ、自ずと「伸びる」小学生の育て方を7回連載で紹介してくれます。今回は第2回目です。

得意なものを伸ばして「成長サイクル」を身につける「世界標準のアクティブ・ラーニングでわかった ぬまっち流 自分で伸びる小学生の育て方」


「勉強が大好きな子は少ない」を前提に考えるとうまくいく


基礎的な知識は、将来、子どもたちが自発的に「もっと深く学びたい!」と思ったときのベースの知識になります。その土台がしっかりしていればこそ、自分で考える力が大きく伸びるのです。

そのように重要な基礎知識ですが、子どもたちに「将来、きっと役に立つから」と言っても、すぐに理解してもらうのは難しいでしょう。「子どものころにもっと勉強しておけばよかった……」と、強く後悔した経験のある大人がいくら説明したところで、まだその後悔を経験していない子どもは、やはり実感することができません。そして、大切だと理解できないから、モチベーションもなかなか上がりません。

【画像を見る】子どもにとって退屈な勉強のモチベーションを上げるには?


退屈な勉強をどのように子どもにやらせるか。きっと、ほとんどの親御さんが1度は抱えたことのある悩みでしょう。

そんなとき、ボクは、知識を詰め込むだけのような退屈に思われがちな勉強でも、いかに楽しく取り組めるかを考えます。子どものころ、ボクは決して勉強が得意なほうではありませんでした。だから、勉強が楽しいと思ったこともほとんどなく、いつも嫌な勉強を〝やらされている〞と感じていました。そんな思いがあるから、基本的に「子どもたちは勉強をあまりやりたがらない」というスタンスで物事を考えるようにしています。そして、つまらないと思い込んでいる勉強を楽しくするにはどうすればいいかを、とことん考えているのです。

先ほど挙げた掛け算の九九も、楽しくなるようにいろいろな工夫を凝らしました。音楽をガンガンに流しながら解かせてみたり、ある制限を加えてゲーム感覚で取り組めるようにしたり。そうして生まれたのが、「81マス計算トレーニング(計トレ)」です。

これは、縦横9マスずつのプリントを使った計算トレーニングで、まずボクが縦横の端のマスに入れる数字を黒板に書きます。そして、スタートの合図とともに子どもたちは81のマスを掛け算で埋めていくのですが、制限時間を1分21秒、つまり81秒に設定。さらに、一つ間違うとマイナス20秒のペナルティを設けたり、1分以内に全問正解できたら「神」という称号を与えたり、そうしたルールや制限、ご褒美を決めることで、単なる九九の暗記も子どもたちはゲーム感覚で楽しんでくれるようになるのです。この計トレは、もともと2年生のタンニンをしたときに考え出したものですが、1年生のクラスを持ったときはこれを「足し算」へとアレンジしたり、高学年でも多くの子たちが喜んで取り組んでくれました。中にはタイムを縮めるために自習時間に計トレを行ったり、家で自主トレしたりする子もいるのです。

世界標準のアクティブ・ラーニングでわかった ぬまっち流 自分で伸びる小学生の育て方


話は戻りますが、そもそも、「知識詰め込み型教育」と「アクティブ・ラーニング」は、本当に相反するものなのでしょうか?

「計トレ」の目的は、九九を暗記させることであり、「知識詰め込み型教育」の一つと言えるでしょう。でも、子どもたちがゲーム感覚で「自発的に学ぶ」ということは、「アクティブ・ラーニング」とも言えそうです。無理やり知識を覚えさせられるのではなく、タイムを縮めるのが楽しいから自分たちで知識を詰め込みたくなる。彼らの行動は「アクティブ」以外の何ものでもないでしょう。

そもそも、ボクは普段から「アクティブ・ラーニング」という言葉をあまり使いません。それは、学びは常にアクティブであるべきだと思っているから。

もちろん、ボクは「魔法使い」ではないから、義務教育で教わるあらゆる知識を楽しく覚えさせる「魔法」なんて持っていません。ときには、いくら工夫しても、「楽しい」方法が思いつかないことだってあります。それでも、どうすれば子どもたちが楽しく学べるか、どうすれば勉強に興味を持ってもらえるかを考え、ありとあらゆる工夫を試してみるのです。

著=沼田晶弘

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