すべてマンガに描いてある(13)…「女ってやつは…」

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日々の小さなことでも、思ったことをいわずにいるとストレスがたまるもの。ああ思う存分ぶちまけたい!と思っていたら『僕の姉ちゃん』に描いてあった!

30歳OLの姉と社会人1年目の弟が、夜な夜なリビングで、緩そうでいて油断ならない会話を繰り広げるのですが……とにかくこの「姉ちゃん」、相手が弟ゆえに、遠慮ゼロで女の本音をいいまくります。「ブラジャーを何日目に洗うのか/本当のこと言う女に出会える確率、限りなくゼロ」「幻想が好きならオーロラでも見てこいっつーの」「(一番好きな言葉は?と聞かれて)『お土産』?」。やっぱりみんなそうだよね!?と思うようなネタの連続に、笑いが止まりません。

弟くんに対しては「すまん、だがこれが女ってやつなのだよ!」とちょっと同情しそうになりますが、彼もまた、なかなか鋭い観察眼を持って姉を評してるのです(ただし、ほぼ心の中で)。「姉ちゃんのバッグに入っている文庫は/2カ月くらい同じだったりする」「(『あー食べすぎもうやめよ』という姉に)なんでいつも口に出して言う?」。

『海月姫』で“女狐(めぎつね)”と呼ばれているセクシー女性・稲荷さんもまた、「女ってやつは」と笑わせてくれます。ちょっとした“証拠写真”を携帯で撮るだけなのに「あっヤダこれ!! 光がダメ!! ほうれい線とこ影になってる!! 削除削除!!」と部屋中のライトを調整することに奔走。ああ女って、女って……すまん、男子よ(再度謝罪)!

女の本音が描かれたマンガというと、ちょっと怖い感じになったり身につまされたりするものも多いのですが、この2作品は、ただただ笑えるのみ(女が読んだ場合だけ!?)。安心して、どうぞ!

【文中に登場する作品】

●『僕の姉ちゃん』益田ミリ著/マガジンハウス

期間限定で2人暮らしを始めた30歳の姉と社会人1年目の弟。指毛、イケメン、上司、冬に着る半袖、そしてお互いの恋の話。2人の会話にいちいちうなずき、いちいち爆笑。「平凡中の平凡」(by姉)の弟くんも魅力的です。

●『海月姫(くらげひめ)』東村アキコ著/講談社

クラゲオタクの月海をはじめ、オタク女子たちの生態と成長、恋を描くギャグ満載の少女マンガ。稲荷さんは彼女たちの天敵として登場。オタク女子のアイテム「高校のときから着てるヘボいヨレヨレのタンクトップ」などにも共感必至!

※このコラムは『レタスクラブ』2011.11.10売り号掲載に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。

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Information

著者:門倉紫麻
マンガライター。Amazon.co.jpにて、主にコミック担当エディターを務めた後、フリーライターに。著書に『週刊少年ジャンプ』作家へのインタビューをまとめた『マンガ脳の鍛えかた』(集英社)、宇宙開発の現場を取材した『We are宇宙兄弟 宇宙飛行士の底力』『We are宇宙兄弟 宇宙を舞台に活躍する人たち』(講談社+α新書)などがある。最新情報は「漫画ライター門倉紫麻のブログ」に。

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