「継ぎ足しのタレ」って安全なの? 様々な意見が飛び交うタレ問題

テレビ番組などでもよく耳にする、うなぎや焼き鳥用の「継ぎ足しの秘伝のタレ」。伝統の味をキープするだけでなく、「一晩寝かせたカレー」や「三日間熟成させた肉」のように時間をかけることで美味しくなっていきそうな感じがします。

一方、ネット上では「継ぎ足しのタレってどうして悪くならないの?」という疑問もよく目にします。先日、東京・世田谷の私立幼稚園の園児67人と教職員9人の計76人が一晩寝かせたカレーを食べて食中毒になった事件が報道された際も、ヤフーニュースのコメント欄でこの話題が議論されていました。

■継ぎ足しのタレって安全なの?

焼き鳥やうなぎ屋さん、カツのお店などで時々目にする「継ぎ足しのタレ」。「創業以来○○年継ぎ足し!」と売りにしているお店も多いですが、一方で「衛生面が心配になって私は苦手」「どうしてわざわざつぎ足すの~! ぜったい危ないと思うんだけど…」という声も上がっています。

ネット上では、「ああいうタレは店で出す前に低温殺菌されてるでしょ」という意見も。低温殺菌とは牛乳などの加工によく使われる技術で、パスツールという細菌学者がぶどう酒の腐敗を防ぐために開発した方法。63~68℃ほどの熱で30分加熱することで、高温殺菌だと失われてしまう本来の味を守りながら殺菌することができるので、味の決め手となるタレには確かにぴったり。実際に低温殺菌に取り組んでいなくても、「焼いたものをタレに頻繁に浸せば低温殺菌になるのでは?」という声もあります。

さらに、「タレは塩とか砂糖が濃いから殺菌になるんじゃないかな」という意見も。昔から保存食品によく使われている塩ですが、実は塩自体には殺菌効果はありません。しかし、塩分の濃度が高くなると塩の「浸透圧」により、細菌など微生物の体から水分が奪われ、結果的に殺菌の効果があると言われています。ハチミツが腐りにくいことからも分かるように、砂糖も高い浸透圧を持っているのですが、果たしてタレに殺菌効果があるほどの塩分や糖分濃度があるかどうかは微妙なところかもしれません。

■「創業時のタレ」は残っていない!?

「そもそも継ぎ足しのタレって昔に入れた分は残ってるの?」という声もよく上がります。実は2010年に放送された「世界一受けたい授業」で、「継ぎ足しのタレは時間がたつと最初のタレは残っていない」という衝撃の実験結果が発表されました。

番組で「タレの器は約15リットル」「1人前につかうタレは約8cc」「1日に作る平均は約100人前」というデータを基に実験を行ったところ、計算上では3年と57日41人目で最初のタレはすべてなくなってしまうそう。

様々な謎を抱える「継ぎ足しのタレ」ですが、その奥深さもまた料理を引き立ててくれる秘密なのかもしれませんね。

【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】