運動不足で体が悲鳴を上げている!? 毎日5分で痛みを改善/奇跡の足裏ストレッチ(1)

#美容・健康   
運動不足で体が悲鳴を上げている…!

『1日5分で全身の疲れと痛みが消える! 奇跡の足裏Wストレッチ』 1回【全5回】


肩こりや腰痛、ひざの痛み、手足のしびれ…。「病気」とまではいえないものの、なんだか体の調子が悪い。そんな悩みにお困りではありませんか? その原因、運動不足かもしれません!

俳優・渡辺謙さんをはじめ、多くの著名なスポーツ選手やアーティストが信頼を寄せる、鍼灸師・スポーツトレーナーの大髙茂さんが紹介する足裏ストレッチは、体の痛みや違和感を軽減できる効果が期待できるとのこと。自宅で気軽にできるストレッチとトレーニング法をお送りします。

※本記事は大高茂著の書籍『1日5分で全身の疲れと痛みが消える! 奇跡の足裏Wストレッチ』から一部抜粋・編集しました


はじめに

運動不足で体が悲鳴を上げている

肩こりや腰痛、ひざの痛み、手足のしびれ――。「病気」とまではいえないものの、現代人の多くが体の不調を抱えています。ゲームやパソコン、スマートフォンなどが日常生活に入り込み、体を動かす機会がどんどん減っているのがその原因だといわれています。

それに拍車をかけたのが、新型コロナウイルスのまん延による外出自粛やリモートワークの普及です。もともと運動不足だった現代人はますます動かなくなりました。運動不足というのは、筋肉を使う機会が減ったと言い換えることができます。実は、筋肉は使わなくなるとどんどん硬くなるものです。本来は柔らかいはずの筋肉が硬くなると、筋肉がしなければいけない「力を入れる(縮む)」という仕事をしなくなります。

すると、それをカバーするためにほかの筋肉が本来とは違う動きをしなくてはいけなくなり、硬くなった筋肉とは別の部分の筋肉や関節に大きな負担がかかります。それが慢性的になると、やがて腰が痛い、肩がこる、ひざが痛い、手足がしびれるなどといった症状に悩まされるようになるのです。

わかりやすく会社組織でたとえるなら、何らかの事情で総務部が機能不全の状態となり、本来なら総務部がやらなければいけない仕事を経理部がするようなもの。はじめのうちは何とか対応できたとしても、徐々に経理部に負担がのしかかり、やがて経理部は自分の仕事ができなくなって悲鳴を上げる……このような状況が体の中で起こってしまうのです。

病院の検査では見つからない不調が増えている


そもそも体の不調は、「器質的疾患」と「機能的疾患」に大きく分けられます。器質的疾患とは、筋肉や臓器、骨などに炎症や異常、変形などがあり、その結果として症状が出る病気のことをいいます。

一方、機能的疾患とは、筋肉や臓器には何も異常がないにもかかわらず、痛みやこりなどの自覚症状がある状態を指します。体の組織そのものには異常がないので、病院で検査をしても症状の原因となるような異常は何も見つかりません。

私たちが何らかの体の不調を感じたとき、それが器質的疾患なのか機能的疾患なのか、自分で判別することはまずできません。もしその不調が機能的疾患だった場合、病院に行って検査をしても、器質的疾患は見つからないので、「骨や関節には異常がありません。湿布を貼って様子を見ましょう」と、経過観察になってしまいます。

機能的疾患に対して、湿布をしたり薬を飲んだりすれば痛みは緩和されるかもしれませんが、それはあくまでその場しのぎの対症療法であり、根本治療ではありません。原因となっている問題を解決するようなアプローチをしないまま時間ばかり経過することで症状はどんどん悪化し、やがて「寝ても疲れが取れない」、「眠れない」、「腰痛」、「肩こり」と、体全体にまで悪影響が及んでいくことでしょう。

現代人が抱えた体の不調は、検査をしても原因が見当たらない機能的疾患が多いため、痛みがある部分を診るだけでは解決できないケースが増えています。

ちなみに、筋肉が硬くなることに加齢は関係ないので、こうした症状を年齢だけのせいにするのは間違いです。

東京都内にある私の鍼灸院には、一般の方々のほかに、プロのスポーツ選手や芸能関係者まで、肩こりや腰痛、ひざの痛み、手足のしびれなどの悩みを抱えた患者さんが来院されます。中には、大事な試合前にケガを負ってしまい、それまでに何とか動けるようにしてほしいというアスリートや、公演中に肉離れやぎっくり腰になってしまったものの、舞台に穴をあけられない俳優の方など、緊急事態に見舞われた方もいらっしゃいます。

鍼を使わず痛みをやわらげるストレッチ


私は体の不調を訴える患者さんを診るとき、痛みや違和感などの症状が出ているポイントだけではなく、体全体を診て、その原因を探るようにしています。不調の根源となるポイントがわかったら鍼を打ち、その原因を取り除いていくというのが私の役目です。

これまで、延べ1万人以上の患者さんを診ていくうちに、私は「足」に原因がある不調が多いことに気が付きました。とりわけ冒頭に書いたように、コロナ禍による長時間のリモートワークや外出自粛などで「歩く」ことが極端に減っている昨今、使わなくなった足の筋肉が硬くなって体全体に不調を来しているケースが目立ってきたのです。

足は「第2の心臓」と呼ばれていることをご存じの方も多いことでしょう。足には「歩く」「走る」外にも、下半身の血液を心臓に送るポンプのような役割があり、体の健康を維持する重要な働きをしています。

それにもかかわらず、足のケアの仕方はあまり知られてはいないようです。世の中にはすでにストレッチ法や呼吸法、トレーニング法など、体の不調を取り去る目的の本が多く出されていますが、足――特に足の裏のケアについては見過ごされているようにも感じます。

そこで今回、鍼を使わずに体の痛みや違和感を軽減し、予防にもなるメニューを考えてみました。自宅で気軽にできるストレッチとトレーニング法を紹介していきます。

大髙流 ストレッチのルール

・ストレッチをやるのはいつでもいいが、できれば夜が理想的。なぜなら、その日の疲れはその日に取って、次の日に残さないため
・ストレッチは 「一つ15秒×5回」 を基本に2〜3セット

基本のストレッチ
足裏ゴルフボールごろごろ

1セット[片足15秒 × 5回]を 3セット

足裏にある足そく底てい筋きん膜まくをほぐすことにより、足の血行がよくなるだけではなく、ひざから太もも、腰までの筋膜に影響する。
アスリートやゴルファーの腰痛の原因が足裏の筋肉にあったことも。

足裏ゴルフボールごろごろ

1 立って壁かべに手をつき、足裏でゴルフボールをころがすように。慣れてきたら壁に手をつけなくてもよい

2 足の中指からかかとまで、親指のつけ根からかかとまで、小指のつけ根からかかとまでの三つのラインを意識してころがす

はじめは強くころがすと痛いので、気持ちいい程度から行う

3 人差し指と中指のつけ根(湧泉/ゆうせん)でゴルフボールを止め、ゆっくりと5秒体重をかける

ポイント
はじめは強くころがすと痛いので、気持ちいい程度から行う。
慣れてきたらやや強めに

注意事項

・ストレッチの途中でつらさや痛みを感じたら直ちに中断し、医師に相談してください。
・妊娠中の方、病気治療中の方や持病のある方、通院中の方は医師に相談のうえで行ってください。
・腰痛やひざの痛み、股関節に違和感がある、ケガをしているなど、体に不調を抱えている方は医師や専門医に相談のうえ行ってください。
・体調がすぐれないときは行わないでください。
・飲酒後は行わないでください。
・ストレッチを行って生じた問題に対する責任は負いかねます。各自、体調を考慮したうえで、自己責任のもと行うようにしてください。


著=大高茂/『1日5分で全身の疲れと痛みが消える! 奇跡の足裏Wストレッチ』(KADOKAWA)

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