きちんと知れば更年期は怖くない!体のケアで女性ホルモンの乱れを和らげる

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 病院に行くほどでもないけど、QOLが下がる「もやもや不調」。もしかしたらそれは、更年期のサイン…?

年を重ねるにつれ、冷え、肩こり、ほてり、倦怠感など、様々な不調が現れてきますよね。病院に行くほどでもないけど、QOLが下がる「もやもや不調」。もしかしたらそれは、更年期のサインかもしれません。更年期と聞くと、精神的にも肉体的にもツライどん底のイメージが強いかもしれませんが、その症状は人それぞれ。早くから対策をしておくことで、何事もなく過ごせる人も多いんだそうです。誰もが避けては通れない更年期。明るく元気に乗りこえるためのコツを、中医学講師の張立也(ちょう・りつや)先生にうかがいました。

▷お話をうかがったのは…
中医学講師 張 立也(ちょう・りつや)先生
不妊カウンセラー。中国・遼寧中医薬大学医学部卒業。同大学に医師・講師として勤務。1996年に来日し、埼玉医科大学で医学博士号を取得。 現在は日本中医薬研究会専任講師として、中医学の普及と指導に務める。

イライラは女性ホルモン低下のサイン⁉

「更年期とは、女性が子どもを作れる時期から、作れなくなる時期へと移行する期間のこと。一般的には閉経を迎える45~55歳前後の10年間を指し、思春期と同様に病的な意味は全くありません。中医学では、女性の体は7の倍数で変化すると考えられていますが、中でも更年期は、生殖機能の変わり目という大きな変化の時期。そのため、五臓六腑の気血が乱れやすく、どうしても不調が起きやすくなるのです」(張立也先生)

更年期の不快な症状の一番の要因は、ホルモンバランスの乱れ。特に女性ホルモンのエストロゲンの低下が深く関わっています。

「女性ホルモンは通常、脳の視床下部にある脳下垂体から分泌されるFSHという卵胞刺激ホルモンが、卵巣を刺激することで分泌されます。脳から『卵を作れ』という指令を下された卵巣が、卵を成長させ、その卵胞からエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されるのです。ところが更年期になると、卵巣の中に残る原始卵胞や順次に成熟できる卵胞も減少します。そのため、脳から『卵を作れ』との指令を受けても、すぐには従えません。卵巣機能が低下していることを知らない脳は、更に指令を出し続けますが、卵巣にはモノがないため応えられないのです。その結果、いくら命令しても体が言うことを聞かないことに脳は混乱。更年期にイライラしやすくなるのもこのためです。また、脳がコントロールを失うと、自律神経の調節も上手くできなくなり、様々な不調を招くことにも繋がります」(張先生)

脳がコントロールを失うと、自律神経の調節も上手くできなくなり、様々な不調を招くことにも繋がる


「腎」の働きが更年期の不調を左右する

更年期の不調は、人によってその内容も程度も様々ですが、その違いはどこからくるのでしょう?

「更年期の不調の原因はホルモンバランスの乱れですが、中医学でいうとこのホルモンを主っているのが五臓の『腎』です。そのため、『腎』の状態によって、更年期症状にも差が出てきます。基本的には、『腎』の機能は加齢により衰えるもので、それを避けることはできませんが、早いうちから『腎』のケアをすることで、更年期症状の出方も大分違ってきますよ」(張先生)

具体的に、いつ頃からケアを始めると良いかというのは、「腎」の充実度と関係しています。

「女性にとって節目となる年齢は7の倍数ですが、『腎』の充実度も7年毎に変化が訪れます。『腎』の働きは28歳がピークで、35歳から徐々に衰え始め、42歳を過ぎると顕著に低下します。そのため、30代後半から『腎』のケアを始めておけるとベストですね。実際、不妊治療のため早いうちから『腎』のケアをしていた方というのは、更年期の症状がほとんど見られなかったというケースがほとんどです」(張先生)

「腎」の充実度は7年毎に変化が訪れる。「腎」の働きは28歳がピークで、35歳から徐々に衰え始め、42歳を過ぎると顕著に低下する


加齢とともに衰えてしまう「腎」ですが、「腎」の状態により、更年期症状の内容にも違いが出てきます。

「中医学では陰陽のバランスが重視されており、『腎』についても、体に潤いを与え体内の余分な熱を冷ます『腎陰(じんいん)』と、体を温め成長を促す『腎陽(じんよう)』のバランスが保たれていることが大事と考えられています。つまり『腎』の衰えにも、『腎陰』不足と『腎陽』不足の2パターンが存在するのです」(張先生)

●腎の潤い不足タイプ
「腎陰」が不足した「腎陰虚(じんいんきょ)」の状態。更年期で最初に問題となる女性ホルモンの低下により、「モノがないから卵を作れない」という段階が、まさにココ。体の潤いが不足し、体内に熱がこもってしまうため、ほてり、寝汗、不眠、肌の乾燥、白髪、脱毛などの症状が表れやすくなるほか、経血量の減少や生理期間の短縮など、月経不調が見られます。

●腎の陽気不足タイプ
「腎陰」不足により陰陽のバランスが崩れると、「腎陽」も不足し「腎陽虚(じんようきょ)」の状態になるケースも。体内の循環が悪くなり、代謝も低下するため、冷えやむくみ、倦怠感、頻尿などの症状が表れやすくなります。顔だけほてり下は冷えているホットフラッシュも、基本は冷えが強いため「腎陽虚」の症状。また、更年期に太りやすいのも、「腎陽虚」による代謝の低下が原因です。

更年期が悪化しやすい体質とは?

「腎」の衰えは陰陽不足の2タイプに分かれますが、実は他にも、更年期を悪化させる要因が存在します。

「中医学では、体は『気、血、水(津液)』の3つの要素で構成されていると考えられており、そのバランスから6つの体質に分けられます。その中で更年期の症状が悪化しやすいのは、『気滞(きたい)』『瘀血(おけつ)』。『気滞』はイライラなどの精神症状が出やすく、『瘀血』は肩こりなどの体の痛みが出やすくなります」(張先生)

●気滞タイプ
更年期で脳の指令に卵巣が応えられなくなると、脳はどうしてもイライラしやすくなるものですが、その精神症状が非常に強く出てしまう場合、「気」の流れが滞っている可能性大。イライラして怒りっぽくなる興奮タイプと、憂鬱になって涙もろくなるようなクヨクヨタイプの2パターンがあります。

「気滞タイプ」はイライラして怒りっぽくなる興奮タイプと、憂鬱になって涙もろくなるようなクヨクヨタイプの2パターン


●瘀血タイプ
「血」の流れが滞っているタイプで、頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、手足のしびれなど、体の痛みが強く出るのが特徴。血を巡らせるのは気であるため、陰も陽も不足する更年期は、瘀血タイプの場合は気滞タイプの症状も同時にみられるケースも多い。

「瘀血タイプ」は頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、手足のしびれなど、体の痛みが強く出るのが特徴


30代女性に増えているプレ更年期って何?

更年期は閉経を挟んだ45歳~55歳位の期間を指しますが、それに先立つ30代頃から更年期に似た症状が出始める人も。

「若い人でも更年期と似たような症状が見られることから『プレ更年期』と呼ばれたりもしますが、これは更年期とは違うもの。更年期が早まっているわけではありません。本来の更年期は、『腎』が衰えた『腎虚』の状態ですが、プレ更年期は『肝』の働きが低下した『肝鬱(かんうつ)』の状態。気の流れをコントロールしている『肝』は、ストレスとも深い関わりがあるため、『肝鬱』になるとストレスの影響でホルモンバランスが崩れてしまうのです。その結果、更年期に似た症状が見られるのです。『肝鬱』だと、『気』の流れが滞る『気滞タイプ』にもなりやすいため、本来の更年期で症状が重く出る傾向に。更年期の症状を和らげるためにも、早めのケアが肝心です」(張先生)

更年期をラクに過ごすための4つの養生

辛い不調を「更年期だから仕方ない」と諦めなくてOK。不快な症状を和らげる中医学的養生法をご紹介します。

●漢方で体の陰陽バランスを再構築する
更年期のトラブルを根本的に解決するには、「腎」の衰えにより崩れた陰陽バランスを再構築することが不可欠。「腎」を補い健やかに保つ「補腎(ほじん)」や、血の巡りを良くする「活血(かっけつ)」作用のある漢方で、体のバランスを整えましょう。

【タイプ別おすすめ漢方】
・腎の潤い不足タイプ…「イスクラ瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)」、「星火亀鹿仙(せいかきろくせん)」
・腎の陽気不足タイプ…「イスクラ参馬補腎丸(じんばほじんがん)」
・気滞タイプ…「イスクラ逍遙顆粒(しょうようかりゅう)」
・瘀血タイプ…「イスクラ冠元顆粒(かんげんかりゅう)」

漢方で体の陰陽バランスを再構築


漢方は自分の体質に合ったものを選ぶことが大事ですが、更年期特有の症状である月経不調などには「イスクラ婦宝当帰膠B」(第2類医薬品)を。

更年期特有の症状である月経不調などにオススメ

自分の体質に合った漢方を選ぶには、漢方専門の薬局・薬店に相談するのがベストです。

●「腎」を補う黒の食材を取り入れる
食事でもっとも重要なのは、栄養バランス。旬の野菜や果物のほか、肉などのたんぱく質もしっかり摂り、エネルギーを補充することも大切です。黒豆、黒ごま、レバー、なす、ぶどうなどの黒い食材には「補腎」作用があるため、積極的に取り入れましょう。

●ストレスを上手に発散する
更年期の不調をあまりに重く受け止め過ぎると、さらに症状を悪化させてしまうことに。趣味やおしゃべりを楽しんだり、適度な運動で体を動かしたりなど、ストレスを上手に発散しながら、毎日をリラックスして過ごすように心がけましょう。特に、精神的体的ストレスをためやすい気滞や瘀血タイプは、冬でも家にこもらず、外で太陽の光を浴びて気分転換することも大切。

●季節に合った養生をする
人間の体は自然や環境の影響を受けやすいため、季節に合った養生をすることが、体内のバランスを整えるのに役立ちます。これからの冬の季節は、どのタイプも冷やさないことが基本。特に女性は、足もとから冷える人が多いため、半身浴で温まったり、厚手の靴下やタイツを履くなどして、足もとの保温を心がけましょう。また、内臓を冷やし血管を収縮させる冷たい飲み物や食べ物は避け、なるべく温かいものを。

【体を芯から温める陳皮ホットワイン】

みかんの皮、八角、ワインの相乗効果で体が芯から温まる陳皮ホットワイン

みかんの皮を乾燥させた陳皮には、体を温める作用が。そのまま食べたり、お茶に入れたり、入浴剤代わりにお風呂に入れたりと、使い勝手も抜群です。おすすめはホットワイン漬け。赤ワイン500mlに対し、乾燥させたみかんの皮1個分と八角もしくは粒胡椒を入れて1晩漬けておくだけ。沸騰しない程度に温めてから、みかんの皮を取り出して飲みます。ワインには活血(血の巡りをよくする)効果、八角や胡椒には温陽効果、みかんには気の巡りを良くする理気効果があるため、体の芯から温まります。安いワインでいいので、お酒好きな人はぜひ試してみて。

「早いうちからしっかり養生しておけば、更年期の辛い時期も上手に乗り越えられます。更年期は第二の人生の始まり。このタイミングで新たなバランスを構築できれば、その後の人生は健康的に過ごせる可能性も高まりますよ」(張先生)

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30~50代の女性は、子どもの反抗期に向き合ったり、育児がひと段落して夫と2人の生活がスタートしたり、親の介護が始まったりと、大きな環境の変化を経験する世代。女性の体の仕組みを早いうちに知れば、不安や心配も軽減されますよね。食事や運動などのセルフケアや漢方などを上手に活用して、穏やかな日々を手に入れましょう!

文=酒詰明子、イラスト=さいとうあずみ

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