※分量や調理時間など、レシピ通りに調理してください
肉汁封印ハンバーグ
ひき肉を粘りが出るまでこねるものと、さっくり混ぜるものの2つに分けると、ひき肉の粒感のある肉々しいハンバーグが完成。
【材料/2人分】
合いびき肉 …… 300g
玉ねぎ(粗みじん切り) …… 1/2個分
オリーブオイル …… 小さじ2
塩 …… ひとつまみ
水 …… 50ml
A
・牛乳 …… 大さじ2
・パン粉 …… 20 g
・おろしにんにく …… 1 かけ分
・ナツメグ …… 少々
・オールスパイス …… 少々
【ソースの材料】
玉ねぎ(薄切り) …… 1/2個分
きのこ類(しめじ、まいたけ、しいたけは石づきを
取りひと口大に切る) …… 全部で140g
バター …… 20g
B
・赤ワインビネガー …… 大さじ4
・しょうゆ …… 小さじ2
・ウスターソース …… 小さじ2
・マスタード …… 小さじ2
・赤ワイン …… 100ml
・オレンジジュース …… 50ml
※ソースの玉ねぎときのこ類はなしでもOK。
【作り方】
1 フライパンにオリーブオイル、玉ねぎを入れ塩をふり中火で炒める。しんなりしたら水を加え、炒めて水分がなくなったらバットに取る。
◆ここが格上げ!
・水を入れて玉ねぎを炒める
玉ねぎは飴色にすると味が強すぎるので、焦げ目がつかないように水を加えて火を入れる。飴色玉ねぎにはしない。
2 ボウルに合いびき肉の1/3量を入れ、氷水にボウルを浸けながらひき肉をしっかりこねる。
◆ここが格上げ!
・ボウルを氷水に浸ける
手の温かさが伝わって肉の脂肪が溶けると、火入れしたときに肉の結着力が弱まる。肉ダネが入ったボウルを氷水に浸けながらこね、肉が温まるのを防ぐ。
3 2に1の玉ねぎ、Aを加え、さらにしっかりこねる。残りのひき肉を加えさっくり混ぜ、ハンバーグ形に成形して中の空気を抜き、冷蔵庫で10分休ませる。
◆ここが格上げ!
・残りの肉を加えてさっくり混ぜる
ひき肉の1/3量はつなぎ用にしっかりこね、残りの2/3量は肉感を残すために肉の粒をつぶさないようにさっくり混ぜる。
・成形して空気を抜く
肉ダネの中に空気が残っていると、火入れした際に表面のひび割れの原因になる。
・冷蔵庫で休ませる
冷蔵庫で休ませて肉の温度を下げることで結着力が回復し、火入れした際のひび割れや焼き崩れが防げる。
4 フライパンにオリーブオイル小さじ2(分量外)を中火で熱し、3を入れ片面1分、ひっくり返して1分を2回繰り返し、側面も焼き色をつけたら、アルミホイルをかぶせて極弱火で5分火入れする。肉に金串を刺して火が入ったことを確認したら、バットに取り出す。
◆ここが格上げ!
・ひっくり返しながら焼く
1分焼いたらひっくり返すを繰り返してゆっくり火入れすると、肉汁が外に漏れにくくなる。
最後はアルミホイルをかぶせ極弱火に!
5 ソースを作る。フライパンの汚れをキッチンペーパーでサッと拭き取り、バターを入れて中火で溶かし、玉ねぎ、きのこ類を入れて炒めしんなりしたら、Bを混ぜたものを加え1/3量まで煮詰めてとろみを出す。
6 器に4のハンバーグを盛りつけ、5のソースをかける。
【ポイント】火入れでこんなに差が…
左が両面を焼いたあと水を入れて蒸し焼きにしたもの、右がこまめにひっくり返しながら火入れしたもの。
水を加えて蒸し焼きにすると
高温の蒸気で一気に火が入り、肉がダメージを受けて肉汁が肉の外に出やすい。また焼き縮みしてひとまわり小さくなる。ゆっくり火入れすると肉汁が漏れにくく、肉の中に封印できる。
【ポイント】調味料の合わせ方で格上げ!
調味料やスパイスで冒険して新しい味と出会う
調味料の使い方の固定観念を取り払うと味つけのバリエーションが広がる。フレンチに和の調味料のみそやしょうゆを使ったり、はちみつで甘みを、ヨーグルトで酸味をつけるのもよし。
例えば…
ロシア料理の「ビーフストロガノフ」に和のテイストの西京みそを入れてご飯に合うおかずにする。
パンに塗るピーナッツバターを調味料として活用。ナッツ風味がクセになる。
砂糖の代わりにはちみつを使うとコクのある甘さに。まろやかな甘さは料理の格を上げる。
酢の代わりにヨーグルトとケッパーで酸味をプラスし、マンネリの味つけから抜け出そう!
【ポイント】スパイスの使い方で格上げ!
ナツメグ、クミン、シナモン、パプリカパウダーなどをはじめとして、フレンチにはスパイスが欠かせない。使い方は難しく考えずに、まずは試してみることが大事。「この食材にこのスパイスはどうかな?」と食材とスパイスが持つ風味や香りの組み合わせをイメージしてどんどん取り入れてみよう。
今どきは、ほとんどのスパイスが近所のスーパーで手ごろな値段で買える。
著=城二郎/『二つ星フレンチ元料理長が教える おうち格上げレシピ』(KADOKAWA)
【著者プロフィール】
城二郎
服部栄養専門学校を卒業し、都内ホテルのレストランに就職。その後フランスへ渡り、パリのミシュラン一つ星レストランにて修行。帰国後は都内のミシュラン二つ星レストランで研鑽を積み、パリで修行したレストランの日本進出に伴い日本店副料理長として新規開業を担う。4ヶ月後、ミシュランガイドにて二つ星を獲得。その後、同グループ姉妹店開業の際、料理長に就任。
さらに日本各地への多店舗展開を行う同グループの統括料理長として全店舗の厨房指揮を任される。
退社後はYouTube チャンネル「料理人城二郎」を中心に料理動画を配信。YouTubeチャンネル登録者数は107万人、TikTok のフォロワー62万人を突破。
著=城二郎/『二つ星フレンチ元料理長が教える おうち格上げレシピ』