冬の体調管理にはビタミンCを。からだに嬉しいはたらきと上手な摂り方 画像(1/8) 食べ物だけでなく、飲み物も上手に活用しましょう

「毎日みかんを食べると風邪をひきにくくなる」と聞いたことはありませんか? トロピカーナの意識調査によれば、「風邪予防にもっとも良いと考えられる栄養成分」のNo.1はビタミンC(※下図参照)。また、家庭でもっとも消費量の多い果物は柑橘類(総務省「家庭年間調査」より)で、柑橘類にはビタミンCが豊富に含まれることから、冬場の体調管理としてとり入れている人が多いようです。


冬の体調管理にはビタミンCを。からだに嬉しいはたらきと上手な摂り方 画像(3/8) 風邪予防にもっとも良いと考えられる栄養成分のNo.1はビタミンC

栄養素の中でも知名度が高いビタミンCですが、実際のはたらきについては「なんとなく美容健康に良い」という程度の認識の人が多いようです。そこで、ビタミンCのはたらきや手軽なとり入れ方について専門家にお話を伺いました。また、冬場に最適なお手軽ビタミンCレシピもご紹介します!

 

ビタミンCの4つのはたらき


冬の体調管理にはビタミンCを。からだに嬉しいはたらきと上手な摂り方 画像(6/8) ビタミンC研究の第一人者 石神昭人先生

知っているようで意外に知らないビタミンCのはたらき。ビタミンC研究の第一人者である石神昭人先生にお伺いし、想像を超えるビタミンCの力について教えていただきました!


【生きるために必要だが、人体では作ることができないビタミンC】

ビタミンCは生命活動においていろいろなはたらきをもっています。しかし、人間は体内でビタミンCを合成出来ない数少ない生き物のひとつ。しかも、約4週間で血しょう中のビタミンCがほとんどゼロになる(※1)ことから、生きている限り、定期的に食べ物などから摂取し続けるしかありません。

では、ビタミンCのはたらきとは具体的にどのようなもので、不足するとどんな弊害が生まれてしまうのでしょうか。早速、チェックしてみましょう。

 

●はたらき1 高い抗酸化作用で老化の進行を遅らせる

活性酸素が体内に生じて「酸化」が進むと、DNAやたんぱく質などに変質や破損が起きて老化を早める一因になります。ビタミンCのもっとも大きなはたらきは、この酸化を食い止める抗酸化作用。食品に含まれる栄養素の中でも珍しい活性酸素除去能力をもっています。


●はたらき2 コラーゲンの重合(合成)をサポート

骨や軟骨、皮ふや血管を丈夫に保つコラーゲンは、体内のたんぱく質の3分の1を占める重要なもの。そして、コラーゲンが骨や皮ふを形作る際に欠かせないのがビタミンCです。ビタミンCが足りなくなるとコラーゲンも不足し、血管や皮ふなどがもろくなります。(※2)


●はたらき3 脂肪燃焼成分・カルニチンを作るもと

全身の脂質の代謝に使われることから、一躍ダイエットで注目された「カルニチン」。カルニチンはアミノ酸であるリシンとビタミンCから合成されます。つまり、アミノ酸だけ摂取してもビタミンCが足りなければカルニチンは作られないのです。(※3)


●はたらき4 アドレナリン分泌に不可欠

人間はストレスを感じると「アドレナリン」というホルモンを分泌して防御します。アドレナリンのお陰で、ストレス下でも心身の動きが保たれ、生命活動を維持できるのです。このアドレナリンは不足するたびに副腎で合成されますが、その際にビタミンCが大量に必要となります。(※4)


このほか、石神先生の研究によれば、ビタミンCは加齢によっても減少し、70~84歳の高齢女性は血液のビタミンC濃度が高いグループのほうが身体能力が高い(※5)ことや、ビタミンCを与えたマウス(ビタミンCを合成できないヘアレスマウス)は、紫外線を浴びてもメラニンが沈着しにくい(=シミやそばかすになりにくい)(※6)といったことも紹介していただきました。

 

ビタミンCの上手なとり方

人体にたくさんのはたらきを果たしているビタミンC。では、どのように摂取すると良いのでしょうか?


●1日3回以上に分けて、こまめな摂取を!


ビタミンCは水溶性で、主に果実や野菜などに含まれます。また、ビタミンCの血中濃度は摂取2時間後がピークとなるため、1日3回以上に分けてとるのが望ましいと考えられます。

1日あたりの摂取量は厚生労働省基準で100mgですが、これは壊血症などを防ぐための必要最低限と考えられる量。加齢や体調不良、喫煙により、通常以上にビタミンCは必要となります。

過剰なビタミンCは尿で排出され、重篤な副作用も報告されていない(※7)ので、食べ物だけでなく、ビタミンCを多く含む飲み物も上手に活用して、こまめに補給したいですね。


冬の体調管理にはビタミンCを。からだに嬉しいはたらきと上手な摂り方 画像(10/8) 管理栄養士 北川みゆき先生

 

冬場に最適なビタミンCお手軽メニュー

まめに摂取しないと不足しがちなビタミンC。きちんと摂取するためにはどのような食生活を心がければ良いのでしょうか。日本人の食生活の傾向とあわせ、管理栄養士の北川みゆき先生に伺いました。

 

【ビタミンCが不足しがちな現代人】


冬の体調管理にはビタミンCを。からだに嬉しいはたらきと上手な摂り方 画像(15/8) いずれの食材も旬のもののほうがビタミンCが豊富

仕事や日々の生活が忙しいうえに、手軽に中食(テイクアウトや簡素な調理のみで食べられる食品)が手に入る現代人は、栄養素が偏りがち。


冬場はインフルエンザや風邪など、感染症が多い季節。健康な毎日を過ごすには、とくに免疫力をはじめとする体調を整える栄養素「たんぱく質」「ビタミンC」「ビタミンA」「亜鉛」(※8)を意識的にとりたいもの。


そこで、風邪にかかりやすい冬におすすめのビタミンたっぷりお手軽朝食メニューを北川先生に教えてもらいました。

 

【ほうれん草のココット】


冬の体調管理にはビタミンCを。からだに嬉しいはたらきと上手な摂り方 画像(21/8) ほうれん草は冬が旬。ビタミンC含有量が、夏に比べて約3倍!

<材料>(1人分/ココット皿1個分)

ゆでほうれん草 90g、オイル 小さじ1/2、塩・粗びき黒こしょう 各少々、ベーコン 20g、卵 1個、ピザ用チーズ 20g


【作り方】

1.茹でたほうれん草(水気を切って冷蔵庫保存すれば数日もつ)をココットに入れる。

2.塩こしょうと好きなオイルを適量振り、卵を割り落とす。

3.上から刻んだベーコンととろけるチーズを乗せ、オーブンで10分ほど加熱する。

半熟卵がよい場合、トースターで5分程度の加熱でOKです。

 

【ミネストローネ】


冬の体調管理にはビタミンCを。からだに嬉しいはたらきと上手な摂り方 画像(28/8) 一度にたくさん作り置いて、朝食やスプージャーに入れてお弁当にすると◎!

<材料>(作りやすい分量/スープ皿約8杯分)

鶏肉やウィンナー 70g、玉ねぎ 小1個(180g)、じゃがいも 小2個(180g)、にんじん 70g、パプリカ 70g、オリーブオイル 大さじ1、トマトの水煮缶 1/2缶(200g)、水 4カップ(800cc)、コンソメスープの素 1個、塩 適量、粗びき黒こしょう 少々、ショートパスタ 1人分20g程度


<作り方>

1.鍋にオリーブオイル適量を入れ、鶏肉・ウインナー・ハム・ベーコンのいずれかを小さく切ったもの、パプリカ、じゃがいも、にんじん、玉ねぎを1cmサイズに切ったものを入れ、軽く炒める。

2.1に水、トマトの水煮缶を入れる。強火で煮込み、沸騰したら弱~中火にしてコンソメスープの素、塩を加えて煮る。

3.ある程度具が柔らかくなったら、ブロッコリーを小さく切ったものを入れ、少し煮る。粗挽き黒こしょうを入れ、器に盛り付ける。

短時間でゆであがるショートパスタをスープに入れると一皿で朝食が完結!


「ほうれん草のココット」「ミネストローネ」どちらのレシピも、付け合せにはパンと100%柑橘系ジュースがおすすめです。

  

風邪の回復期にもビタミンCを!


冬の体調管理にはビタミンCを。からだに嬉しいはたらきと上手な摂り方 画像(36/8) 消化が良く、栄養たっぷりな食材を食べることを心がけて

風邪の回復期には、まず消化の良い煮込みうどんやおかゆなどでエネルギーを補給しましょう。油料理や食物繊維が豊富な野菜は控え、卵や豆腐、白身魚などでたんぱく質補給も忘れずに。

また、ウイルスに対抗するために、ビタミンCも多く消費されてしまう期間です。ビタミンCの摂取も心がけましょう。果物や果汁などを少しずつとるのもいいですね。りんごのすりおろしは消化がよく、栄養も吸収しやすいのでおすすめです。


いかがでしたか。栄養素のスーパースター・ビタミンCのすばらしさを再認識できたのでは? さあ、これからのシーズンはビタミンCを上手にとって、冬を元気に乗り越えましょう!

 

※1 Pearson WN(1967)Blood and urinary vitamin levels as potential indices of body stores. The American jounal of clinical nutrition20,514-527

※2 参考:Kishimoto,Y., Saito,N., Kurita,K., Shimokado,K., Maruyama,N., Ishigami,A. :Ascorbic acid enhances the expression of type 1 and type 4 collagen and SVCT2 in cultured human skin fibroblasts. Biochem. Biophys. Res. Commun. 430,579-584(2013)

※3 参考:Furusawa,H., Sato,Y., Tanaka,Y., Inai,Y., Amano,A., Iwama,M., Kondo,Y.,Handa,S., Murata,A., Nishikimi,M., Goto,S., Maruyama,N., Takahashi,R., and Ishigami,A. :Vitamin C is not essential for carnitine biosynthesis in vivo:Verification in vitamin C-depleted SMP30/GNL knockout mice. Biol. Pharm. Bull. 31,1673-1679(2008)

※4 参考:Amano,A., Tsunoda,M., Aigaki,T., Maeuyama,N., Ishigami,A. :Effect of ascorbic acid deficiency on catecholamine synthesis in adrenal glands of SMP30/GNL knockout mice. Eur.J.Nutr.53, 177-185(2014)

※5 Saito,K., et al., A significant relationship between plasma vitamin C concentration and physical performance among Japanese elderly woman. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2012 Mar;67(3):295-301.

※6 Sato et al., Ascorbic acid deficiency leads to epidermal atrophy and UVB-induced skin pigmentation in SMP30/GNL knockout hairless mice. J Invest Dermatol. 2012 Aug;132(8):2112-5.

※7 1日10g以上の多量摂取による下痢、腹痛、発疹など一時的な報告はあり

※8 厚生労働省 e-ヘルスネット「活性酸素と酸化ストレス」、厚生労働省「栄養機能食品の追加に関する薬事・食品衛生分科会表示・新開発食品 調査合同部会審議結果について」より