火災のときに姿勢を低くするのはなぜ? 実は怖い「煙」の被害の話/だれでもできる防災事典(11)

火災のときは、「常に低い姿勢」で避難しよう

寝室を安全区域に設定! 地震の揺れを感じたら移動して「もしも」に備えよう/消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典(1)
『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』 11回【全14回】


「いざ、そのとき」のあらゆる災害から命を守る方法を伝授!

いつ降りかかってくるか分からない、自然災害や人災、事故などの被害。そんな「もしも」のときに備えておくべき対処法を教えてくれるのが、元レスキュー隊員で防災アドバイザーのタイチョーさんです。

数々のレスキュー現場で救助してきたレスキュー隊員だからこそ知っている、「災害対応のプロ」ならではの知識やテクニック。そのどれもが、子どもやおばあちゃんなど力が弱い人でも実践できるものばかり!

不測の事態が起こったときも冷静に対処できるように、親子・家族・友人同士みんなで防災意識を高めて備えておきましょう。

※本記事はタイチョー 著、みぞぐちともや イラストの書籍『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』から一部抜粋・編集しました。


火災のときは、「煙の動き」を理解して「常に低い姿勢」で避難しよう

火災の対処:姿勢を低くする本当の理由

実は怖いのが「煙」

火事で亡くなった方の約半数は煙(一酸化炭素中毒と窒息)が原因といわれています。

煙は上へ上へと逃げていく習性があるので、煙を吸わないように低い姿勢を維持し、ハンカチなどで口や鼻を覆って行動しましょう。

また、煙は有毒ガスのため、火災現場で目を開けると強い痛みを感じますが、かがんで低い姿勢をとることで比較的視界もクリアになります。かがんで出口を確認して、低い姿勢を維持しながら避難することが大切です。

火災発生直後は、煙(上)と空気(下)の境目である「中性帯」がある

かがんで壁伝いに行動する

ポイント1:かがんで行動する
ポイント2:壁伝いに行動する

★初期消火がとても大切!

火災発生直後から天井に火がまわるまでの間に火を消すことを「初期消火」といいます。周囲に火災を知らせるとともに、消火器や水を使用してすばやく消火活動を行います。

1 周囲に火災を知らせる(大声を出す/119番)
2 逃げ遅れを確認する(視界がクリアな時に)
3 初期消火を行う(消火器や水をかける)
4 火災現場から避難する
※ 1〜3 火災発生後約1~2分=初期消火の目安時間

初期消火がとても大切!

屋内で火災が起きた場合、約3分で天井に火が燃え移るといわれています。天井に火がまわった時点で初期消火は限界となるため、火災現場から避難し、到着した消防隊に消火活動をまかせましょう。

NG行動

✕立って逃げる
火災が発生して間もないときは、煙と空気の層の境目である「中性帯」と呼ばれるものがあります。不用意に立って動くと、この中性帯が崩れ、下の空気の層にも煙が混ざり、視界がまったく見えなくなって逃げられなくなります。また煙は熱を持っているので、のどをやけどする危険もあります。

✕上の階に逃げる
煙が垂直方向に上がるスピードは毎秒3~5メートルで、オリンピックの短距離走選手が階段を駆け上がったとしても逃げ切るのは困難です。

助かる命を助けるために

壁伝いに玄関まで行く練習をする(慣れてきたら目をつぶって練習する)

著=タイチョー、イラスト=みぞぐちともや/『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』

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