知らなきゃ損する新常識!? 野菜の栄養を最大限とる方法

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野菜に栄養があるのは知っていても、食べ方がポイントだというのは意外に知られていない話。そこで、定番野菜の栄養を逃さない、とっておきの調理法と食べ方をご紹介します! 毎日のごはん作りで意識してみて。

ほうれん草は1分以上ゆでない!


ほうれん草はゆで時間が延びるほど栄養がなくなります!おひたしやスープなどに入れる場合、気をつけたいのはゆで時間。1分なら74%残っているビタミンCが、3分ゆでると48%にまで減ってしまいます。栄養の損失を防ぐには、短時間でゆでるのがコツ。すぐに水にさらして水けを絞り、熱に長時間当てないことも大切です。

ゆで時間が延びるほど栄養がなくなる!


☆調理のコツ☆

根元、葉の順にゆでるのがコツ! 断面から栄養が流出するので、切らずにそのままゆでます。根元を30秒、続いて葉30秒、計1分で引き上げて。

【写真を見る】ほうれん草は、根元、葉の順にゆでるのがコツ


☆おすすめの食べ方☆

・ごまあえやナムル ・ベーコンと一緒にバターで炒める

豊富に含まれるβ-カロテン(※1)は、油と合わせることで吸収率が高まります。損失したビタミンCを補うならレモン汁をかけても。

※1-β-カロテン:カロテノイドの一種で脂溶性の色素。体内で吸収されるとビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康を維持したり、免疫向上に役立つ。

もやしは疲労回復効果がすごい!


もやしの栄養“ほぼゼロ”説はもはや昔の話!ビタミンCやカリウムのほか、疲労回復効果が高いとされるアスパラギン酸(※ 2 )も豊富に含まれていることが最近になって判明。なかでも大豆もやしは、グリーンアスパラガスの倍近い含有量です。短時間の加熱ならビタミンCやカリウムも残るので、上手に調理して。

栄養“ほぼゼロ”説は もはや昔の話!


☆おすすめの食べ方☆

・ 麻婆もやし ・ピクルス

シャキシャキ感を残す程度にさっと蒸したり、炒めたり、ピクルスにしても。いたむと同時に栄養素も失われるので、購入したらその日のうちに調理しましょう。

※ 2-アスパラギン酸:アミノ酸の一つで新陳代謝を活発にし、疲労回復に役立つ。

れんこん、ごぼうはアク抜きしなくていい


れんこんやごぼうは皮の近くに栄養がいっぱい!れんこんとごぼうはアクの多い野菜。そのため、皮をむいたり酢水にさらすのが常識と思われていますが、栄養学的にはむしろマイナス。そのまま調理したほうが、皮付近のポリフェノール(※3)をムダなく摂取できるんです。どうしても色が気になるときは、酢水にさらすのを3分以内に!

そのまま調理したほうが、皮付近のポリフェノー ルをムダなく摂取できるんです。


☆調理のコツ☆

れんこんもごぼうも表面の汚れ、泥をたわしでこすり洗いすれば大丈夫。皮をむく必要はありません。

泥だけ落とせばよし!


☆おすすめの食べ方☆

・蒸して、みそとオリーブ油を混ぜたたれをかける ・きんぴら

ビタミンCの損失を防ぐために、れんこんは皮ごと蒸すのがおすすめ。ごぼうは油で炒めるか炒め煮にすると、便秘改善をサポート。

※3-ポリフェノール:植物が持つ色素や苦みなどに含まれる成分。抗酸化作用を持つものが多く、老化予防が期待できる。

白菜は炒めるより煮る!


白菜は炒めるより煮た方がかさが減ってビタミンCがたくさんとれる!白菜に多いカリウムやビタミンCを効率よく摂取するには生食が一番ですが、水分が多く大量に食べられないのが難点。炒めても量がとれないので、煮ものにして煮汁ごと食べるのがおすすめです。かさが減って量が食べられ、水に溶け出した栄養もしっかりとれます。

煮ものにして煮汁ごと食べるのがおすすめ


☆おすすめの食べ方☆

・鍋料理 ・白菜と豚肉の重ね煮

鍋、煮もの、スープなど煮る料理にして、汁ごと飲み干せばビタミンCもカリウムも摂取できます。油と一緒にとると、β-カロテンやビタミンKの吸収率も上がります。

※4-カリウム:ミネラルの一つ。体内のナトリウムを排出する役割があり、むくみ改善に働きかける。

玉ねぎは生食が最強!


玉ねぎを水にさらすときは短時間で素早く、が大事。カリウム、ビタミンC、血液サラサラ効果のアリシン(※5)など、玉ねぎの栄養素の多くは水と熱に弱いという特徴が。特にアリシンは揮発性で失われやすいため、生食がイチオシ。玉ねぎによっては辛みが気になる場合がありますが、水にさらすのは1分以内にして。

水にさらすときは短時間で素早く


☆おすすめの食べ方☆

・ポテトサラダ ・塩昆布あえ ・おろし玉ねぎのドレッシング

空気に触れると硫化アリルがアリシンに変わるので、断面を多く切るのがコツ。細かく刻んだり薄切りにしてサラダやあえものにして。

※5-アリシン:辛み成分の硫化アリルが変化したもので、血行促進や、ビタミンB1と合わせることで疲労回復に役立つ。

監修=五十嵐ゆかり 撮影=後藤利江(調理法) イラスト=あおむろひろゆき 編集協力=佐藤由香

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Information

教えてくれた人:五十嵐ゆかりさん
管理栄養士。分かりやすい栄養指導と、簡単ヘルシーなレシピ提案に定評がある。著書に『食材の栄養素を最大限に引き出す便利帖』( 永岡書店)。


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