じめじめした日々が続きますが、梅雨が終われば夏も本番! 今年の夏も厳しい暑さが予想されます。熱中症対策をしっかり練って、夏に備えておきたいですよね。


さて、熱中症予防法の一つとして重要なのが、こまめな水分補給です。もはや皆が知っているこの対策ですが、そうは言っても、意外と水をたくさん飲むのはたいへん…。夏場の水分補給、いったい何を飲めばいいのでしょう!?


カフェイン含有飲料のプラス効果とは?

年間を通して、ふだんはコーヒーや紅茶、緑茶などを飲んでいる人も多いのでは? 同時に、これらに含まれている「カフェイン」がどうも気になる…という人も少なからずいるはずです。“カフェインの利尿作用によって脱水症状が起きる”という説などから、カフェイン=健康に良くない、と思われがちですが、実はこれ、大きな誤解なんです。

実は悪者じゃなかった!?  熱中症対策にも役立つ「意外と知らないカフェインの話」 画像(5/5) カフェインにはプラス効果もたくさん

2005年、米国医学研究所(Institute of Medicine :IOM)は「カフェイン含有飲料も1日に必要な水分量の補給に有用である」との研究結果を発表しました。実際、健康な人がカフェイン含有飲料を摂取した後の24時間の尿量と、ノンカフェイン飲料を摂取した後24時間の尿量を比較したところ、尿量に差がないことが実証されています。このことから、“カフェイン含有飲料には脱水作用がある”という説は、科学的根拠に基づいたものではないことが明らかになっています。


カフェインの利尿効果は比較的弱く、米国や欧州などで推奨している1日あたりの最大摂取量400mg(緑茶で換算すると2リットル相当)を摂取しても、利尿作用が見られなかったことも報告されています。尿排泄が刺激されるのは、短時間で急激に通常の摂取量を超える量を摂取した場合のみであり、標準の摂取範囲内の量では脱水症状は起こりえません。むしろ、カフェイン入りの飲料を飲まないようにすることが水分摂取量の低下に繋がり、脱水症状のリスクを高める可能性も指摘されました。


環境生理学・生活健康の専門家である奈良女子大学の鷹股亮教授も「お茶などには利尿効果があるカフェインが入っているので飲まない方がいいと思っている方もいるようですが、実際にはカフェインは大量に摂らないと利尿効果はありません」と明言。さらに「食事の際は糖質やナトリウムを摂取しているので、食事と一緒に飲みやすいお茶などの飲料を飲む習慣をつけると、脱水になりにくく、水分補給にお茶は有効です」と説明しています。

実は悪者じゃなかった!?  熱中症対策にも役立つ「意外と知らないカフェインの話」 画像(7/5)  

そもそも人間の身体には体液の恒常性を維持するための水分調節機能が備わっているため、水分補給によって体液の濃さが一定より薄くなった場合には余分な水分を排泄するしくみになっています。また、カフェインは日常的に摂取することによって、体内にカフェインに対する耐性が得られるため、水分補給に有害となることは考えられないそうです。


一方で、カフェインには疲労感・倦怠感を軽減する作用があり、リラックス効果があることも実証されています。同時に注意力・集中力を高める作用もあり、仕事の作業効率が高まるという調査報告も。最近では、認知症の予防も期待されているそう。


こられを検証すると、日常生活における適度なカフェインの摂取は、むしろプラスの効果が得られることが分かります。夏は暑さや冷房による寒暖差で疲労感・倦怠感がたまりやすく、仕事や家事などへの集中力も低下しがち…。そんなときこそカフェイン入りの飲み物を摂ると効果的、ということになります。


カテキン効果で美白・美肌をめざそう!

数あるカフェイン入りの飲み物の中でも、夏におすすめなのが、実は「緑茶」。お茶に含まれる主な成分はタンニン、カフェイン、タンパク質、アミノ酸、食物繊維、ビタミン類などですが、とくにこの季節に注目すべきはタンニンのパワーです。

実は悪者じゃなかった!?  熱中症対策にも役立つ「意外と知らないカフェインの話」 画像(11/5) 日本人の食卓に欠かせないお茶

タンニンとはすなわちカテキン類のことで、お茶の渋味成分です。カテキンには抗酸化作用があることで知られていますが、抗酸化作用は老化や病気の予防に効果を発揮します。紫外線によるシミやそばかすは活性酸素が原因ですが、カテキンは紫外線による細胞の酸化を防ぎ、日焼けによる炎症からの回復を促してくれます。

実は悪者じゃなかった!?  熱中症対策にも役立つ「意外と知らないカフェインの話」 画像(12/5) もうすぐ夏本番、対策は万全?

一定量のカテキンを摂取し続けると肝臓での脂質代謝=エネルギーの消費が高まり、体脂肪が減少し、ダイエットの効率がアップすることも分かっています。また、茶カテキンにはビフィズス菌や乳酸菌など、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす効果も。これに善玉菌を増やす食物繊維を合わせることで腸内環境が整い、美肌効果が得られます。ほかにもカテキンの抗菌作用が夏に発生しやすい食中毒の予防になったり、ホルモンバランスの異常を予防・改善する働きも。


水分補給をしつつ、健康にも美容にも効果的なカテキンも気軽に摂取できるのが魅力の緑茶。夏こそ上手に活用して、夏バテに負けず元気な毎日を送ってみてはいかが?



取材・文=角山奈保子