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結果を出すことがすべて?子どもの自信を取り戻す考え方 ギリギリな自分を助ける方法(4)
結果だけを追い求めてしまう成果主義の魔力
将来の夢を尋ねると、こんな答えが返ってきます。スポーツ選手、研究者、デザイナー……。ほとんどの人が、「職業」を挙げるのはなぜでしょう?
私たちはそれぞれの人の職業を、子ども時代からの「がんばりの成果」ととらえているのかもしれません。そして成果を上げるために、子どもの頃から勉強やスポーツに一生懸命取り組みます。がんばって結果を出すほど、その先には恵まれた人生が待っているはずだ! と思っているからです。
よい成績をとることや目標の達成を目指して、ひたすらがんばる! 私たちの中には、社会がつくり上げたそんなシステムがインストールされてしまっているような気がします。
こうしたシステムの中では、目に見える結果を出すとほめられます。まわりから認められたりほめられたりするのは、だれにとってもうれしいことです。がんばってきてよかった、という達成感も得られるでしょう。
私は、このときの気分のよさには、一種の「成果主義の魔力」ともいうべき要素があると思っています。そして「魔力」である以上、使い方には注意が必要な部分もあるんです。
学校生活の目標ってよい結果を出すこと…… ?
「成果主義の魔力」にはまると、「まわりから認められるような結果を出すこ
と」に気持ちをうばわれてしまう場合があります。何においても結果がすべて
であり、よい結果を出すことだけが「すごいこと」「えらいこと」のように思えてきてしまうんです。
そうなると、よい結果を出せなかったときにどうなるでしょう? うまくいったときとは反対に、「自分は、すごくもえらくもない」なんて気分を生み出してしまうことになります。
また、結果を出すために過剰な努力やがまんをすることにもつながりかねません。もちろん、努力もがまんも悪いことではありません。でも大切なのは、「だれが決めたのか」ということです。
自分が本当に求めているなら、スポーツの厳しい練習も自分を追い込むような勉強法も、「よいがまん」になります。でも実際には、トップの成績をとるためにはこのぐらいしなくちゃダメだ、などと他人から押しつけられたり、まわりの期待に応えるために仕方なくがんばったりすることも多い。これって、本当はちょっとおかしいことなんです。
仮に結果を出せたとしても、無理な努力やがまんを続けることは大きなストレスになります。そしていずれは、努力が報われないことも出てくるでしょう。こう考えると、よい結果を目指すことだけが学校生活の目標になってしまうのは、ほとんどの人にとってつらいことなんじゃないかな? と思えてきます。
結果を出せないのではなく打ち込めるものが見つかっていないのかも
大会で優勝した友だちを見て落ち込んでしまうのは、「どんな結果を出したか」という基準で自分とくらべてしまうからです。でも、今のあなたは「結果を出せていない」のではなく、友だちにとっての部活のように、打ち込めるものが見つかっていないだけなのではないでしょうか。
中学〜高校で学べる教科や芸術活動、部活動などの種類は、とても限られています。「学校」という小さな枠組みの中に、自分が興味をもてるものがない、という人は決して少なくないと思います。
今は生活の中心であっても、学校は、あなたがこれから出ていく世界のほんの一部にすぎません。「成果主義の魔力」に取り込まれそうになったときは、自分の「夢」を想像してみてください。
この場合の夢は、職業ではありません。あなたは大人になったとき、どんな暮らしがしたいですか? 毎日、どんな気分で過ごしたいですか? ライフスタイルそのものを思い描いてみてください。少し楽しくなってきませんか?
夢にはいろいろなものがあります。夢につながるのは、考えていると楽しくなるような、自分の好きなことや学びたいことです。そしてあなたが興味を覚えることが、「目に見える結果が出るもの」であるとは限りません。友だちと同じ基準で、自分の夢をはかる必要はないんです。
著=井上祐紀/「10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法」(KADOKAWA)
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