最強「腸」食で自律神経を整える~小林弘幸式「朝だけ腸活」のススメ
暑さが厳しい日本の夏は、温度だけでなく湿度も高く自律神経が乱れがちです。自律神経が乱れると、倦怠感や食欲不振、頭痛、めまいなど心身の不調となって表れます。自律神経は腸と関係して働くため、「腸活」することで自律神経を整え、夏を元気に乗り切りましょう! 日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリスト・小林弘幸先生に「腸と自律神経の目覚めに欠かせない朝食」についてお聞きしました。
教えてくれたのは▷順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生
1960年生まれ。自律神経研究の第一人者。日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリスト。学生時代はラグビーに熱中、スポーツにも造詣が深く指導も。著書多数。
腸と自律神経の目覚めに欠かせない朝食
「朝食は必ずとりましょう。腸の働きをスムーズにするため、3食のうちで最も重要なのが朝食です」と、小林先生。朝食には自律神経のスイッチを入れる役割があります。食べると自律神経が「活動モード」へと切り替わり、腸のぜん動運動も活発に。自然な排便も促されます。メニューには発酵食品と食物繊維を。習慣として続けることが大切なので、みそ汁などの簡単な献立を定番化しましょう。
簡単みそ汁で腸のスイッチをオン
小林先生によると「みそ汁は腸内環境を整える最強の解決方法」。発酵菌を持つみそが腸内環境を整える他、胃腸を温めて腸の動きを促します。だしは顆粒だし、具材は好みの簡単なものでOK。食物繊維や発酵菌を含むもの、交感神経の働きを高める植物性たんぱく質が豊富な大豆製品を入れれば、「腸活」効果がさらに上がります。
めかぶと納豆のみそ汁の作り方
【1】だし汁に好みの量のみそを溶く。
【2】お椀に好みの量のめかぶと納豆を入れ、【1】を注ぐ。
最強の組み合わせはヨーグルト×大根おろし
腸内環境を整えるのに有効なヨーグルトは、まずは1~2週間食べてみて良い兆候が現れるものを1日200gを目安に摂りましょう。その効果をより高めるのが「大根おろしヨーグルト」。ヨーグルトの乳酸菌、大根の食物繊維、善玉菌のエサとなるはちみつのオリゴ糖が、腸の働きを高め、排便や肌荒れなどを改善します。
グリーンのバナナが腸のバランスを整える
「バナナには、腸を整えるレジスタントスターチが充実。特に、茎に緑色が残るバナナに豊富です」と、小林先生。また、バナナには食物繊維が多く、カロリーはご飯や食パンの約半分。糖質の消化・吸収も緩やかで、食後血糖値の急上昇を防ぐ効果も。朝食をとる習慣がない人は、まずはバナナ1本だけでも食べるようにしましょう。
バナナの栄養効果
レジスタントスターチ
別名「難消化性デンプン」。腸の奥まで運ばれ、善玉菌のエサとなって短鎖脂肪酸を作り、腸内環境を整えます。
GABA
野菜や果物に含まれるアミノ酸の一種。血圧降下の他、副交感神経を優位に働かせ、心身を落ち着かせる効果も。
食物繊維
善玉菌のエサとなる水溶性、腸のぜん動運動を活性化して排便を促す不溶性の2つの食物繊維を豊富に含みます。
* * *
最強「腸食」は、みそ汁、納豆、ヨーグルト、バナナなどあまり手間のかからない朝食の定番メニューでした。朝はパン派の人も、みそ汁や納豆を追加して腸内環境を整えていきましょう!
構成/寳田真由美(オフィス・エム) 取材・文/岡田知子(BLOOM)
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