【徹底解説】アマトリチャーナとは?アラビアータとの決定的な差や「ローマ三大パスタ」の秘密

世界中で広く親しまれているパスタ。種類はたくさんありますが、特にパスタの本場イタリアの中部に位置するローマ周辺で愛されているのが「アマトリチャーナ」というトマトソースのパスタです。名前は聞いたことがあっても、「どんなパスタ?」「アラビアータとの違いは?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アマトリチャーナの特徴や歴史、そしてご家庭で簡単に作れるおすすめレシピをご紹介します。この伝統的な味わいをマスターして、いつもの食卓をワンランクアップさせましょう!
アマトリチャーナとは?その特徴と深い味わい
アマトリチャーナは、イタリアのラツィオ州、ローマ近郊にあるアマトリーチェという小さな町の名前が由来となっているパスタソース、またはパスタ料理の名称です。

このソースの基本は、トマトソースをベースに、豚の加工肉(パンチェッタやグアンチャーレ)、玉ねぎ、そしてチーズを加えて煮詰めて作る点にあります。
素材の旨味と酸味の絶妙なバランス
アマトリチャーナの最大の魅力は、その味わいの深さです。
豚肉から溶け出す脂の旨味がトマトの酸味と混ざり合うことで、濃厚で深いコクがありながらも飽きのこないバランスの良い味わいになります。
本来使われる伝統的な材料
アマトリチャーナを語る上で欠かせないのが、伝統的に使われる特定の食材です。


本場では、このグアンチャーレとペコリーノ・ロマーノを使うことが非常に重要視されており、この個性が他のトマトパスタと大きく異なります。
アマトリチャーナの歴史と地域の多様性
アマトリチャーナの歴史は比較的浅く、1816年にはすでに記録があるものの、その原型はトマトがイタリア料理に定着する以前に食べられていた「グリーチャ」に遡ります。
カルボナーラ、カチョ・エ・ペペと並ぶ三大パスタ
発祥地であるアマトリーチェ近郊のグリシャーノ村の羊飼いが、保存食として持ち歩いていたグアンチャーレとペコリーノを使って作っていたのが、トマトの入っていないグリーチャでした。

16世紀頃に南アメリカからトマトがヨーロッパに伝来しましたが、当初は毒があると考えられ観賞用でした。その後、トマトが食べられるようになり、このグリーチャにトマトソースが加わって、私たちが知るアマトリチャーナが誕生しました。
アマトリーチェとローマは交易が盛んだったため、アマトリーチェ出身者がローマのレストランや宿屋でこのパスタを提供し、ローマで定番のパスタとなっていきました。
今ではカルボナーラ、カチョ・エ・ペペと並び、ローマを代表する「三大パスタ」のひとつに数えられています。
地域によるレシピの違い
アマトリチャーナには、地域によって独自のバリエーションが存在します。発祥地であるアマトリーチェでは玉ねぎを使わないのが伝統的だとされていますが、ローマでは玉ねぎを加えるレシピが一般的です。玉ねぎを加えることで、甘みと深みが増します。一方、現代のレシピではオリーブオイルや白ワインが含まれることもありますが、伝統のレシピではグアンチャーレから出る脂だけを使うことが多いです。

パスタは、伝統的にはブカティーニという、スパゲッティよりも太く中心が空洞になったロングパスタがよく使われます。この太さと穴が濃厚なソースをしっかりと絡ませます。また、リガトーニなどのショートパスタも好まれます。
似ているパスタとの違い
トマトソースをベースにしたパスタは多いですが、アマトリチャーナとよく似たパスタとの違いを見てみましょう。
アラビアータとの違い

アラビアータは、アマトリチャーナとよく似た材料で作られますが、最も明確な違いは辛味にあります。
アラビアータは唐辛子を加えて強い辛味を出したパスタソースです。アマトリチャーナは地域や家庭によっては辛味を抑えることもあり、唐辛子が入らない場合もあります。アマトリチャーナは豚肉の旨味とトマトのコクが主役です。
ペスカトーレとの違い

ペスカトーレもトマトベースですが、具材が決定的に異なります。
ペスカトーレは「漁師風」という意味で、イカ、エビ、アサリ、ムール貝などの魚介類をメインに使用します。アマトリチャーナは豚肉(グアンチャーレやパンチェッタ)がメインの具材です。
本格派ならネット通販などでグアンチャーレを、身近に作るならパンチェッタや厚切りベーコンでも十分おいしく作れますよ。
お手軽!家庭で作れるアマトリチャーナのレシピ
ここからは、ご家庭で手軽にアマトリチャーナの味わいを楽しめるレシピをご紹介します。

アマトリチャーナ
【材料・2人分】
スパゲッティ(1.6mm)…160〜200g、玉ねぎ…1/2個、ベーコン…4枚、オリーブ油…大さじ3、にんにくのみじん切り…小さじ2、ホールトマト缶…1缶(約400g)、塩…小さじ1/4、こしょう…少々、粉チーズ…適量、粗塩…大さじ1
【作り方】
1.鍋に湯1.6Lを沸かし、粗塩大さじ1を加える。スパゲッティを加えてさっと混ぜ、袋の表示より1〜2分短くゆでる。玉ねぎは縦薄切りにする。ベーコンは1cm幅に切る。
2.フライパンにオリーブ油大さじ3、にんにくのみじん切り小さじ2、玉ねぎを入れて中火にかけ、しんなりするまで約2分炒める。ベーコンを加えてさっと炒め、ホールトマト缶を加えて潰す。時々混ぜながら3〜4分煮て、塩小さじ1/4、こしょう少々をふる。
3.スパゲッティの湯をきって2に加え、さっとあえる。器に盛り、粉チーズ適量をふる。
(1人分708kcal、塩分2.5g 調理/小林まさみ 栄養計算/スタジオ食)
▶教えてくれた人 小林まさみ先生

料理研究家。結婚後、料理研究家を目指して働きながら調理師学校で学ぶ。在学中から料理研究家のアシスタントなどを務め独立し、その後は雑誌、単行本、テレビ、企業のレシピ開発、イベントなどで活動。
イタリアの伝統的な家庭料理であるアマトリチャーナ。シンプルだからこそ素材の味を存分に味わえるのが魅力です。気軽に試すのはもちろんのこと、たまには時間をかけてじっくり旨味を引き出してイタリアの歴史的な味を感じてみてはいかがでしょう。
文=レタスクラブ 監修=齋藤久美子(栄養士)
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