【圧力鍋の使い方】時短調理で忙しい時に大活躍!おすすめ13選&活用レシピ

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おすすめの圧力鍋と活用レシピを紹介!

圧力鍋の使い方でイメージするのは、カレー、シチュー、煮物など時間がかかる料理という人が多いようです。実際、今まで2時間かかっていた料理も圧力鍋なら15分前後の加圧時間で完成します。でも圧力鍋ができることは、時間がかかる煮込み料理だけではありません。お米をおいしく炊いたり、プリンや蒸し料理にも使えたりと、オールマイティに活躍する優れもの。そこで今回は作りたい料理やサイズなどから、自分にとって使いやすい圧力鍋の選び方を紹介。「興味はあったけれど使い方がよくわからない」としり込みしていた人も、きっと理想の圧力鍋が見つかります。

▶教えてくれた人

圧力なべ協議会公認圧力鍋研究家のさいとうあきこさん

さいとうあきこさん
圧力なべ協議会公認圧力鍋研究家。調理器具メーカーの営業企画職を経て、2013年より圧力鍋のお料理教室「うちごはんラボ(東京都)」を主宰。

圧力鍋を使うことのメリット

圧力鍋の使い方でよく言われるメリットは、調理時間の短縮と、肉や魚をやわらかく調理できること。でもなぜ、短時間でやわらかくできるのでしょう? その理由がわかると、難しく感じていた圧力鍋の使い方も「簡単かも!」と見方が変わると思います。

一般的な鍋ではできない高温調理ができる

私たちがふだん生活している場所では水は約100℃で沸騰しますが、富士山の頂上のように気圧が低いところでは100℃より低い温度で沸騰します。理由は、沸騰する温度は気圧で変わるから。そして、この原理を利用したのが圧力鍋です。

「その仕組みは、内部を密閉させることで蒸気を閉じ込めて圧力(気圧)を上げ、沸騰する温度を高めるというもの。普通の鍋は沸点(沸騰する温度)が約100℃なのに対し、圧力鍋は120℃前後まで上昇します。つまり、普通の鍋では不可能な120℃前後の高温で調理できるのが圧力鍋なのです」(さいとうさん)

調理時間の短縮や料理をさらにおいしくすることに、高温調理のメリットがあるといいます。

「例えば、通常は2時間以上かかるビーフシチューが、圧力鍋なら、火にかけている時間で計ると合計で約30〜45分(圧力鍋による)、加圧時間(牛肉が柔らかくなるまで)で計ると約10〜25分。短時間で牛肉はやわらかく仕上がります。煮魚を調理すれば、魚の骨は缶詰の中骨水煮のようにホロホロに。
また、お肉のコラーゲンが溶け出すほどの高温調理は、肉や野菜などの素材のうま味を引き出すのも上手。私は圧力鍋を使うようになってから、調味料の使用が減りました」

火を止めている間も調理できるので光熱費の節約に

調理時間について詳しく説明すると、圧力鍋の場合、火をつけてから沸騰するまでの時間と加圧する時間、さらに火を消してから圧力が下がるまでの時間が必要になります。つまり、火を止めてから蓋を開けずに一定時間待つというのが、圧力鍋の使い方の基本。

「使う圧力鍋によって差はありますが、我が家でビーフシチューを作る時は、肉をやわらかくするのに約10分、次に野菜を入れて約1分、火を止めて圧力が下がるのを約10分待ちます。そう聞くと『時短と言っておきながら待つ時間があるの?』と疑問に思うかもしれません。火を止めた後の鍋の中で何が起こっているかと言えば、120℃前後から100℃まで温度が下がっている最中。光熱費が一切かかっていないのに、普通の鍋で煮るよりも高い温度で調理が続いているのです。火を止めた後、圧力鍋が勝手に調理してくれるイメージです。光熱費もかからないのに、高温調理が続くのがメリット。この間にもう1品、別の料理を作ったりと、効率よく料理できます」

選び方のポイント・おすすめアイテム

「おもり式」or「スプリング式」で選ぶ

圧力鍋は大きく分けて、蒸気の出方をおもりで調整する「おもり式」と、ふたに取り付けたスプリングで圧力を調整する「スプリング式」の2種類があります。おもり式は圧力がかかった時「シュシュッ」と音が鳴るのに対し、スプリング式はほとんど音が出ません。
「圧力がかかった時に分かりやすいおもり式のほうが、初めての人には使いやすいと思います」

おもり式のおすすめ
◆おもり式でも調理中の音は比較的穏やか!「魔法のクイック料理 5.5L」(ワンダーシェフ)

「魔法のクイック料理 5.5L」(ワンダーシェフ)

「ワンダーシェフは圧力鍋を製造する日本の調理器具メーカー。モデルチェンジした『魔法のクイック料理』は、おもりからシューっと優しく蒸気が出るようになり、より静かに調理できます。圧力切り替えも可能で、これ一台でいろいろな料理に対応できます」


スプリング式のおすすめ
◆圧力鍋の蒸気の音が気になる人や、静かに調理したい人におすすめ「ビタクイック プラス 4.5L」(フィスラー)

「ビタクイック プラス 4.5L」(フィスラー)

「音がとても静かなスプリング式の圧力鍋で、スプリングの表示で、1本線が低圧、2本線が高圧と使い分けることができます。最適な火力レベルになったらごく弱火にしてそのレベルをキープします。火力を調整しないと、安全装置の働きで蒸気が噴出することがあるので、そばを離れないようにしてください」


◆ハンドルロックによる安全設計が魅力「パーフェクトプラス 2.5L」(WMF)

「パーフェクトプラス 2.5L」(WMF)

「WMF(ヴェーエムエフ)は、ドイツのキッチン&テーブルウェアのブランド。『パーフェクトプラス』は蓋を閉めた後、ハンドルをロックしないと圧力がかからない安全設計になっています。スプリングの表示を見ながら1本線で低圧、2本線で高圧と使いわけ、最適なレベルになったら、ごく弱火にしてそのレベルをキープするという使い方です。ふたのハンドルがワンタッチで外せるなど、お手入れのしやすさもポイントです」


「ステンレス製」or「アルミ製」で選ぶ

圧力鍋の素材に使われているものに、ステンレス製とアルミ製があります。
多くの有名メーカーがステンレス製の圧力鍋を製造しています。保温性が高いという特徴から長時間熱い状態をキープできるメリットがあり、この特徴を生かした煮込み料理などに向いています。また丈夫でさびにくくIHコンロに対応しているものもあります。ただし重いのがデメリットです。
アルミ製は、熱伝導率が高く、熱を素早く全体に伝える反面、冷めやすいという特徴があります。本体が軽いので調理の時はもちろん、洗う時も楽なのが最大のメリット。一方、焦げやすい、腐食しやすい、酸やアルカリに弱いというデメリットがあります。
また、アルミとステンレスを合わせて作られた「多層式の圧力鍋」もあります。最大の特徴は、アルミの熱伝導性の高さと、ステンレスの保温性という、両方の素材の良さを兼ね備えていることとと、丈夫なことが挙げられます。

ステンレス製のおすすめ
◆焦げ付きにくい底面三層構造「オースプラス 3.5L」(ワンダーシェフ)

「オースプラス 3.5L」(ワンダーシェフ)

「鍋の底がステンレスとアルミの三層構造になっており、焦げ付きにくいのがアピールポイントの1つ。またステンレスの本体に美しい塗装が施されているので、そのまま食卓においても絵になります。圧力も2段階に切り替え可能で、いろいろな料理に活用できます」


アルミ製のおすすめ
◆軽量で普通の鍋としても使える「クリプソ ミニット デュオ 4.2L」(ティファール)

「クリプソ ミニット デュオ 4.2L」(ティファール)

「軽量で、アルミニウムの本体に内面フッ素樹脂加工が施されているので、使いやすいのがメリット。また、圧力鍋としてだけではなく、普通の鍋としても使える2イン1の圧力鍋であることも魅力です」


サイズで選ぶ

圧力鍋のサイズはL(リットル)で示されています。自分に合った鍋を選ぶには、サイズも大きなポイントです。

「一般的に『家族の人数+1L』が最適と言われることが多いですが、長年愛用してきた経験上、それにこだわる必要はないと思っています。サイズを選ぶポイントは『食べきりサイズ』。そして初心者におすすめなのは『3L浅型』です。大きいサイズだと持て余して使わなくなりがちですが、小さいサイズであれば食べきれる量だけ作れるうえ、熱の回りも早いので調理時間をさらに短縮できます。また口径が広い浅型タイプはプリンなど、器ごと蒸す料理を作る時に、口径が狭い鍋よりも多く並べられるから便利。まずは小さいサイズを使いこなし、『もう少し大きいサイズもあると便利かな』と感じた時に次を買うといいでしょう」

ここでは「毎日使い向きの小さめサイズ」と、人数の多いご家庭や特別な日のホームパーティー用に料理を作るために圧力鍋を買いたいというニーズに応える「特別な日・たくさん作りたい日向きサイズ」のおすすめ商品を紹介します。

毎日使い向きサイズ
◆外径が広い浅型タイプ「ゼロ活力なべ M(5.5合炊き)」(アサヒ軽金属工業)

「ゼロ活力なべ M(5.5合炊き)」(アサヒ軽金属工業)

「3Lサイズのゼロ活力鍋(M)は、普段使いにちょうど良い大きさ。外径24.7cmと底面に広さがあるので、茶碗蒸しやプリンを一度に4つ並べて作ったり、魚を重ねずに並べることもできます。我が家でも愛用していて、最も使用頻度が高い圧力鍋です」


◆圧力鍋デビューでも挑戦しやすい価格「クイックエコ 3.5L」(パール金属)

「クイックエコ 3.5L」(パール金属)

「パール金属は調理器具からアウトドア用品まで幅広い商品を製造している会社。ステンレス製ですが軽量のクイックエコは使いやすさと親切な価格が魅力。4人家族でならば3.5Lサイズが使い勝手がよく、おすすめです」


たくさん作りたい日・特別な日向きサイズ
◆126℃の高温で大人数向け調理が可能「魔法のクイック料理 5.5L」(ワンダーシェフ)

「魔法のクイック料理 5.5L」(ワンダーシェフ)

「『カレーを10皿分作りたい!』という時には、やはり5L以上の大きなサイズがおすすめです。たくさんの量を調理した時も、両手鍋タイプなので、しっかり持つことができ安心です。この商品は最高126℃の高温調理が可能なので、材料などをたくさん入れても加圧調理する時間がグッと短くてすみます」


◆2段調理で一度に2品作ることもできる「ビタビットプレミアム 6L」(フィスラー)

「ビタビットプレミアム 6L」(フィスラー)

「6Lと大容量なので一度に大量調理できるのが特徴。それだけでなく、この商品には2段調理用の三脚と付属のカゴが付いているので、2段調理できるのもメリット。メインのお料理を作りながら、三脚と蒸し器をセットして、上段で付け合わせの野菜を同時に加熱するなどの使い方ができます」


作りたい料理で選ぶ

圧力鍋は全部一緒だと思っていませんか? 圧力鍋は製品によって「最高温度」や「得意な温度」が異なります。お肉がやわらかくなる最適な温度と、野菜をおいしく煮込むのに最適な温度は違うので、圧力鍋によって得意な料理は自ずと違ってきます。どの圧力鍋がどんな料理が得意なのかを知り、作りたいジャンル別に選んでみましょう。圧力鍋協議会のHPにも、各料理に適した圧力値がまとめられた表が掲載されているので参考にしてみてください。

お肉・お魚をやわらかく調理したい
圧力鍋を使う一番の目的が、「肉と魚をやわらかく調理したい」ということならば、より温度が高い圧力鍋がおすすめです。

◆世界最高レベルの高温調理が可能「ゼロ活力なべ L(1升炊き)」(アサヒ軽金属工業)

「ゼロ活力なべ L(1升炊き)」(アサヒ軽金属工業)

「アサヒ軽金属工業は圧力鍋やフライパンを製造・販売する調理器具のメーカー。中でも有名なのが圧力鍋の『ゼロ活力なべ』です。世界最高レベルの調理圧(146kPa)で、世界最高レベルの約128℃の高温まで到達するのがアピールポイント。2種類のおもりを付け替えることで、圧力の切り替えが可能。高圧は、肉の調理に向いているのはもちろんのこと、煮魚は約10〜20分で中骨がホロホロになり骨まで食べられます」


◆ヨーロッパ製ゆえ肉料理も得意!「ビタビットプレミアム 4.5L」(フィスラー)

「ビタビットプレミアム 4.5L」(フィスラー)

「『フィスラーと言えば圧力鍋』と言われるほど有名なドイツの高級調理器具ブランド・フィスラーの圧力鍋は、ヨーロッパのメーカーであるだけあって肉料理や煮込み料理はやはり得意。『ビタピットプレミアム』は、食材に合わせて3段階(低圧・中圧・高圧)の圧力切り替えが可能で、肉料理には『圧力設定3:高圧』が最適です。実際にビーフシチューを調理した時、お肉がとてもやわらかく調理できました」


野菜をおいしく調理したい
温度が高すぎると野菜の煮物などは煮くずれしやすくなります。野菜をメインに考えるならば、穏やかに圧がかかる圧力鍋がおすすめです。

◆低温で煮物などもほくほくに仕上げる「クリプソ ミニット イージー 4.5L」(ティファール)

「フランス生まれの調理器具・小型家電ブランドのティファールは日本でもおなじみ。『クリプソ ミニット イージー』は使いやすさにこだわって作られた圧力鍋ですが、低めの65kPaの加圧なので野菜の煮物などが得意。煮くずれしやすい肉じゃがも、ほっこりとおいしくできます。また、蒸し料理に使える中かごを使えば、野菜を『煮る』だけでなく『蒸す』こともできます」

「クリプソ ミニット イージー 4.5L」(ティファール)


◆蒸し料理でも活躍!「ビタビットプレミアム 3.5L」(フィスラー)

「ビタビットプレミアム 3.5L」(フィスラー)

「3段階(低圧・中圧・高圧)の圧力切り替えのうち『圧力設定2:中圧』に設定すれば低めの113℃で調理できます。野菜料理に適した温度設定ですから、煮物もホクホクとおいしく仕上がります。また、圧力をかけないスチーム調理もできるので、蒸し料理にも使えます」


お米・玄米を炊きたい
圧力鍋は料理だけでなく炊飯にも使えます。白米は、どの圧力鍋でも短時間でふっくらつやつやに炊き上がりますが、玄米の場合は、高圧のものほどもっちりと、低圧のものはあっさりと炊き上がります。

◆玄米を炊くために生み出された「ヘイワ アルミ 片手 圧力鍋」(鋳物屋)

「ヘイワ アルミ 片手 圧力鍋」(鋳物屋)

「鋳物屋は圧力鍋を中心としたアルミ鋳物メーカーで、『ヘイワ アルミ 片手 圧力鍋』は玄米をおいしく炊くことを目指して作られた圧力鍋です。『玄米はパサパサして食べにくい』というイメージが変わるほど、もちもちで甘い玄米ご飯が炊き上がります。おもりを付け替えれば白米をふっくら炊くこともできます。ただし、この製品はIHには対応しておらず、別でIH対応の製品(GRシリーズ)が販売されています」


電気圧力鍋との違いは?

電気圧力鍋は、圧力鍋と仕組みや時短調理できるなどの特徴は同じです。また、火力調整を自動で行うので、細かな火力調整が不要。圧力調理だけでなく、無水調理、発酵調理、低温調理などができる多機能を謳う製品もたくさん登場しています。


使い方の手順・注意点

実際に使うとなったら、どんなことに注意すればいいのでしょう。お手入れのポイントと合わせて解説します。

基本の使い方

「圧力鍋の使い方で重要なのは、調理する分量です。普通のお料理の場合、水分を含めて、鍋の深さの2/3以下。豆料理の場合は、1/3以下と決まっています。また、10分以内の加圧で、最低200〜250mLの水分が必要です。極端に水分を減らした料理は、圧力が正常にかからなかったり、空焚きになってしまったりすることもあるので、注意してください。

また、火を止めた後、圧力がかかっている間は、安全装置が働いていて蓋を開けることができません。無理に開けようとするとやけどなどの危険があるため、完全に圧力を下げてから開けてください。詳しくは取扱説明書をご確認ください」

「これはNG!」使用上の注意点

「お肉を煮る時などにアク取りシートを使うことはNG。蒸気の通り道をふさいでしまう危険性があるからです。アクを取る場合は、沸騰してアクが出てくるまで蓋を開けたまま加熱し、アクを掬い取ってから圧力調理するか、圧力が下がってから仕上げをする前に蓋を開けて、アクをすくい取って下さい。落し蓋のようにアルミホイルを使用するのもやめましょう。また、市販のだしパックは、素材によっては圧力鍋による高温でパック自体が溶けてしまうこともあるので気をつけてください」

お手入れ方法

「食材の匂いが付着しないように使う度にパッキンを外して洗いましょう。パッキンを乾かしている状態で収納する時は、蓋をひっくり返して本体に重ねるようにすると内部に匂いがこもりにくいです。
またお手入れの際には、蒸気の通り道が汚れなどでふさがっていないことも必ず確認しておきましょう」

次ページ:編集部おすすめ!圧力鍋を使った料理のレシピ4選(2/2)

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Information

さいとうあきこさん
圧力なべ協議会公認圧力鍋研究家。調理器具メーカーの営業企画職を経て、2013年より圧力鍋のお料理教室「うちごはんラボ(東京都)」を主宰。圧力鍋の魅力と安全で便利な使い方を紹介し、活動10年で延べ3,000人以上の圧力鍋ファンを生み出す。2020年からは、YouTubeチャンネルをスタートし、圧力鍋や電気圧力鍋のレシピや情報を発信中。
HP:圧力鍋ライフ.com
Instagram:@atsuryokunabe_akiko
YouTube:圧力鍋研究家さいとうあきこのあつあつ(圧熱)チャンネル
ブログ:圧力鍋で 時短!簡単!うちごはん♪

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