一度食べたら味のとりこになる山形県のアスパラ
山形県産のアスパラガスは、味が濃くて甘みが強く、太くて柔らかいうえに筋が少ないと評判です。県内の各産地が工夫をこらし、アスパラの栽培に力を入れています。
山々に囲まれ、米沢、山形、新庄の各盆地と庄内平野があり、県内各地域を最上川が流れる山形県。豊かな自然のもとで、農業や畜産が盛んに行われています。
県内でもっともアスパラガスの生産量が多いのは、県北東に位置する最上地域。内陸部にあり夏は高温多湿で、昼夜の寒暖差が大きいエリアです。
この地域では、おいしいアスパラガスを育てるために土づくりから徹底して行われています。地元の畜産農家の良質な堆肥を畑に投入して深く耕し、土を改良。そこに、種から育てたアスパラガスの苗を植えているそうです。
また県北西に位置する庄内地域では、太くて甘いアスパラガスが育ちます。夏の庄内砂丘は、昼は高温になりますが夜は海からの風が砂丘を急激に冷やします。この寒暖差と庄内砂丘の豊富な地下水が、高品質のアスパラを生み出しているんです。
なかでも特に太いアスパラガスは「甘えんぼう」というブランド名で全国に出荷され、高い人気を得ているんだとか。
アスパラガスは疲労回復に効果的
アスパラガスは、体内でビタミンAに変換される「βカロテン」や「ビタミンC、E、K」が豊富です。疲労回復やスタミナ増強に効果のあるアミノ酸の一種、「アスパラギン酸」も多く含まれています。穂先に含まれる「ルチン」には、毛細血管を丈夫にし血液の流れを良くする働きがあると言われています。
βカロテンやルチンは水に溶けやすく、アスパラギン酸は熱に弱いので、アスパラガスはゆですぎないことがポイントです。
栄養素をまるごと! アスパラガスのアレンジレシピ
サッとゆでるだけでもおいしいアスパラガスですが、マンネリ化しているなと感じたことはありませんか? なるべく栄養素を逃さないポイントを押さえた調理法で、おいしさも栄養もたっぷりいただきましょう!
【調理法1:ゆでる】アスパラのポーチドエッグのせ
アスパラガスの甘みと卵のうまみは相性抜群! 緑と黄色の彩りもきれいですよね。ポーチドエッグのくずした黄身をソース代わりにして召し上がれ。
アスパラのポーチドエッグのせ
材料(2人分)
卵…2個
粉チーズ…小さじ2
グリーンアスパラガス…6本
・塩、酢、粗びき黒こしょう、オリーブ油
作り方
1.アスパラガスは根元のかたい部分を皮むき器でむき、長さを半分に切る。熱湯に塩を入れて約1分30秒ゆでてざるに上げ、器に盛る。
2.鍋に約1Lの湯を沸かし、酢大さじ2を加える。卵1個を割り入れ、玉じゃくしで白身をまとめながら約1分30秒ゆでて取り出し、湯をきる。もう1個も同様に作り、1にのせる。こしょう少々、粉チーズをふり、オリーブ油大さじ1をかける。
【調理法2:蒸す】チキンのハニーマスタード焼き
はちみつと粒マスタードを使ったソースで、アスパラガスの新しいおいしさに出会えます! 工程の最後にアスパラを入れ、2~3分蒸せば完成。蒸すことで、ルチンやビタミンなど水溶性の栄養素を流出させず、かつヘルシーに仕上がります。
【調理法3:レンチン】たことアスパラのマヨチャーハン
アスパラ料理の脱マンネリを目指して、ふわっ&パラリとした口当たりのチャーハンはいかが?
アスパラガスにマヨネーズを混ぜて電子レンジで加熱します。こうすることで、アスパラガスがしっとりした食感に。
アスパラといえば緑色のグリーンアスパラガスが一般的ですが、山形では紫アスパラガスの生産も行われています。
ビタミンCや目の疲労の回復に効果があるとされるアントシアニンが、グリーンアスパラガスより多く含まれています。糖度も高いので、生で食べてもサトウキビのような甘さがあるんだとか。
スーパーではなかなかお目にかかれないですが、見つけたらぜひチェックしてみてくださいね!
文=山上由利子