鮮度にこだわりアリ! 福井県沖産の甘えび
「ふくい甘えび」がほかの甘えびと何が違うのかというと、厳しい規格があることなんです。1つ目の規格は大きさ。福井県の甘えびは、子持ち・大・中・小・少々と、大きさごとに細かく選別されています。その中でも特に刺身に適した子持ち・大・中サイズのものだけが「ふくい甘えび」としてブランド化されています。揺れる船の上でたくさんの甘えびの大きさや品質を手早く正確に選別するのは、まさに職人技です。
2つ目の規格は時間。「水揚げされてから競りにかけられるまでが24時間以内」と明確に決められています。これは、福井県沖の甘えびの漁場が漁港の近くにあるため、日帰りで操業できるからこそクリアできる基準ですね。
3つ目の規格は時期。産卵や脱皮などの影響で2~4月は殻が柔らかいため、状態が最も良いのは5~1月。「ふくい甘えび」は、この時期に漁獲されたものに限られています。(大和堆で7・8月に漁獲されたものを除く)
地の利がある福井県で、限られた時期にしか出会えない鮮度の高い甘えびが「ふくい甘えび」なんです! ロゴマークが目印なので、見かけたらぜひ手に取ってみてください。
甘えび独特の濃厚な甘さの理由は?
独特の甘みが名前の由来になった甘えび。グリシンなどの甘みのあるアミノ酸を多く含むため、甘みが感じられます。
ちなみに獲ってから時間がたつと、甘えびの体内にある酵素が自分の身を溶かしてしまうんだそう。福井県漁業協同組合連合会が販売する「船内凍結甘えび」は、獲れたての甘えびを漁師さんが船内の急速冷凍庫で瞬間凍結したもの。食べる直前に流水でサッと解凍するだけで、甘えびのおいしさが堪能できます。
お刺身用のむき身を使って! 甘えびのおもてなしレシピ
甘えびの甘くてとろける食感を楽しむなら、やっぱり生で食べるのが一番! とはいえお刺身やお寿司はワンパターンすぎる…という方には、お刺身用として売られている甘えびにひと手間くわえた、おもてなしにもぴったりなレシピはいかがでしょう? 味わいの多彩さに驚くはずです。
【レシピ1】えびのオイル煮
一般的なアヒージョはオリーブオイルとニンニクで食材を煮込みますが、甘えびなら熱したオイルに入れて1分で完成! レアな状態で味わえるのは、甘えびならではですね。
えびのオイル煮
材料(4人分)
甘えび(刺し身用)…16尾
白ワイン(または酒)…小さじ2
にんにくの薄切り…1片分
ローリエ…1枚
・オリーブ油、塩
作り方
1.甘えびは、殻つきのものは尾を残して殻をむき、ワインをふる。
2.小鍋にオリーブ油1カップ、にんにく、ローリエを入れて高温(約180℃)に熱し、火を止めて1をペーパータオルで拭いて入れ、約1分おく。塩小さじ1をふって調味し、油ごと器に盛る。
【レシピ2】アボカドのタルタル
わさびがほんのりきいたこちらは、材料を切ってソースであえるだけの手間なしサラダ。とろりとした甘えびと濃厚なアボカドの風味は相性抜群です。
【レシピ3】甘えびの昆布じめ
お刺身を昆布でくるんで作る昆布じめは、北陸の郷土料理の一つ。昆布のうま味が甘えびに移り、ぐぐっと甘さを引き立てます。お酒のアテにもぴったりですよ。
プリプリの甘えびは、鮮度を重視して選びたいですよね! 赤黒く変色していないか、身と殻の間に隙間がないか、身が弾力があるかを確認してみてください。
文=山上由利子