【歴史に納得】ユッケの正体は「肉の刺身」?モンゴルから世界へ広がった生肉文化の真実

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ユッケとはどんな食べ物?

焼肉店の定番メニューとして愛され根強い人気を誇るユッケ。濃厚でとろけるような口当たりがたまらない、根強いファンの多い一品です。
しかし、「生肉って本当に安全なの?」「どんなお肉が使われているの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ユッケの歴史や語源といった基礎知識から、国が定めた厳しい安全基準、そしてご家庭で手軽に楽しめるユッケ風アレンジレシピまで、ユッケのディープな世界を徹底的に解説します。

【画像を見る】ユッケとは?生食の安全基準やハンバーグと同じ意外なルーツ

ユッケとはどんな料理?その歴史と語源

ユッケは、韓国の代表的な生肉料理のひとつです。

語源は「肉の刺身」
「ユッケ」という名前は、朝鮮語で「肉」を意味する「ユク(육、Yuk)」と「刺身」を意味する「フェ(회、Hoe)」という2つの単語からできています。つまり、「肉の刺身」という意味があるのです。

ユッケとハンバーグはルーツが同じ!?

ユッケのルーツはモンゴル

ユッケの始まりは、13世紀ごろ(西暦1200年~)現在のモンゴル地区あたりに暮らしていた遊牧民であるタタール族は、移動手段でもあった馬を食糧源にしていました。その硬い馬肉を細かく切りたたいて食べたのが生の牛肉や馬肉を粗く刻んだ料理、生肉料理の始まりと言われています。
このタタール族の食べ方が、ロシアからヨーロッパへ広がり、後にタルタルステーキの原点となりました。さらに17世紀ごろのドイツ・ハンブルグでは、このタルタルステーキをより美味しくするために焼いたことが、「ハンバーグステーキ」のきっかけになったのだとか。ユッケとハンバーグが同じルーツを持つというのは、意外な発見ですね。
19世紀末にはタルタルステーキが朝鮮半島に伝わり、もともとあった調味料で味付けされた生肉がユッケとして根付いたと言われています。

ユッケの基本的な作り方
細切りにした生の肉を、しょうゆ、砂糖、ニンニク、ごま油などを合わせた甘辛いタレで和え、中央に卵黄をのせます。お皿に盛る際、ナシやきゅうりの千切り、薬味などをトッピングすることもあります。
食べる際は、タレと卵黄が肉によく絡むようによくかき混ぜてからいただきましょう。濃厚でとろけるような口当たりが楽しめますよ。

ユッケに使われるお肉の種類と部位

ユッケには主に赤身のモモ肉が使われる

ユッケの主な材料は生肉ですが、生食が認められている肉の種類や部位は限られています。

主に赤身のモモ肉が使われる

ユッケに使われる主な部位は、赤身部位のモモ肉です。特に牛内もも肉が一般的に使われます。内もも肉は、牛の後ろ脚の付け根に位置し、脂肪が少なく濃厚な旨みがありながらもやわらかいのが特徴です。
かつては焼肉には不向きな硬いお肉(後ろ脚のモモ肉の外側である「そともも」など)が使われることも多かったのですが、これは硬いながらも肉の味が濃いため、ミンチにして食べやすくすれば生食として美味しかったからです。

生食可能なのは「一部の牛肉」と「馬肉」のみ!

日本国内で、厚生労働省が定めた「生食用食肉の規格基準」を満たし、安全に生食できるとされているのは、ユッケに使われる一部の牛肉(内臓を除く)と馬肉のみです。
特に、牛レバー、豚肉(内臓を含む)、鶏肉は、食中毒の危険性があるため、十分に加熱してから食べるようにしましょう。

馬肉ユッケ

ユッケの安全性と食べるためのポイント

ユッケは生肉料理であるため、安全性が非常に重要視されます。
2011年10月1日に食品衛生法に基づく生食用牛肉の処理に関する規格基準が改定され、ユッケを提供する上での規制が大幅に強化されました。現在、生食用牛肉として提供されるためには、以下のようないくつもの厳しい条件をクリアする必要があります。
■1. 加熱殺菌:
肉塊の表面から深さ1cm以上の部分までを60℃で2分間以上加熱殺菌すること。
■2. トリミング(切除):
加熱殺菌後、表面を切り落とし、中心の部分のみを生食用とすること。
■3. 無菌状態での加工:
他の設備と明確に区分された専用の衛生的な場所で、専用の器具を使って加工すること。
■4. 菌検査:
腸内細菌科菌群が陰性であることなど、微生物検査を義務付けられている。
■5. 有資格者:
生食用食肉の加工・調理は、「認定生食用食肉取扱者」が行うこと。
これらの厳しい基準をクリアし、厚生労働省が認可または認定した「生食加工場」で作られたユッケのみが、安全に流通・販売されています。

おうちで楽しむ!濃厚アレンジユッケレシピ

家庭で生の牛肉を使ったユッケを作るのは難しいですが、マグロやサーモンなど、旨みが強く手軽な食材を使えば、ユッケ風の濃厚な味わいを満喫できます。
今回は、絶品ユッケ風のアレンジ丼レシピを2つご紹介します。

サーモンユッケ卵丼

サーモンユッケ卵丼
【材料・2人分】
サーモン(刺し身用)…90g、卵…2個、貝割れ菜…1/5パック、しょうがのせん切り…少々、温かいご飯…小どんぶり2杯分、白いりごま…少々、焼き肉のたれ(市販品)…大さじ2

【作り方】
1.サーモンは粗くたたき、焼き肉のたれであえる。
2.器にご飯を盛り、貝割れ菜を散らし、1のサーモンをたれごとのせ、卵を割り落とす。しょうがを添えてごまをふる。
(1人分477kcal、塩分1.2g 調理/井澤由美子 栄養計算/スタジオ食)
▶教えてくれた人 井澤由美子 先生

井澤由美子先生

料理家、国際中医師、国際中医薬膳師。旬の食材の効能と素材の味を生かしたシンプルな料理に定評がある。新聞、雑誌、カタログ、イベント、書籍など数多くを手掛け、NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組にも出演。


ユッケ風アボカド納豆丼

ユッケ風アボカド納豆丼
【材料・2人分】
温泉卵…2個、納豆…2パック(約80g)、アボカド…1個、温かいご飯…300g、焼き肉のたれ…大さじ2

【作り方】
1.アボカドは1.5cm角に切る。
2.納豆をパックの中でよく混ぜ、焼き肉のたれを等分に加えてさっと混ぜる。器にご飯を盛り、アボカドを縁に沿って並べ、納豆を中央にかけて温泉卵をのせる。
(1人分569kcal、塩分1.7g 調理/武蔵裕子  栄養計算/スタジオ食)
▶教えてくれた人 
武蔵裕子先生



ユッケは、厳しい規格基準とそれを守る人々の努力によって、美味しさを楽しむことができています。ユッケの深い歴史と安全への配慮を知ることで、さらに美味しく、安心してユッケを楽しんでくださいね。


文=レタスクラブ 監修=齋藤久美子(栄養士)

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