[ニタツ]
煮汁などの液体が、充分に熱せられて沸騰すること。煮汁が煮立つことは、調理の中で、次のような役割がある。煮ものの場合、煮汁が煮立ったときの100℃近くの温度を維持することで、材料を周囲から一様に加熱することができる。また、鍋の中で煮汁が対流し、全体が同じ温度になることで、調味料の浸透や、味の混ざり具合を助けることにもなる。魚を煮る場合、煮汁を煮立ててから魚を入れることで、表面のたんぱく質がすぐに凝固し、うまみが溶け出すのを防ぐことができる。また、熱によって、魚の生臭みがすぐに消えるので、においが煮汁に溶け出すこともない。一般に、煮立つまでは強火、煮立ったら、調理に合わせた火加減に。鍋と中の水分量や、煮汁に含まれる調味料によっては、吹きこぼれることもあるので、注意が必要。