便利な「カット野菜」、どうして洗わなくてもいいの? 画像(1/6) 手軽におしゃれなひと皿に!

最近、爆発的に売れている「カット野菜」。スーパーやコンビニで扱う種類も増えてきました。便利に活用している、という人も多いようです。


さて、サラダ用にパッケージされた商品のほとんどには「洗わずにそのまま食べられます」と明記されています。でもよーく見てみると、商品によっては「洗ってお召し上がりください」という注意も。一体、どういうこと?

便利な「カット野菜」、どうして洗わなくてもいいの? 画像(3/6) 【関連画像】水洗いが必要なものと、必要でないものがあるけれど…?

まず「水洗いしてください」商品について。

サラダ材料でおなじみのベビーリーフの中には、水洗いを促す表示が多いようです。ベビーリーフとは、野菜の新葉(幼葉)のことで、10センチぐらいの高さで収穫し、畑から摘んだままパッキングし、スーパーに並びます。葉はカットしていません。つまりこれは、加工品ではなく農産物。

便利な「カット野菜」、どうして洗わなくてもいいの? 画像(6/6) ベビーリーフの袋に「水洗いしてください」の文字

土づくりにこだわっている生産者「HATAKEカンパニー」の場合は、野菜本来の美味しさのある生産物が自慢です。そして、水洗いすると折れて傷つきやすいベビーリーフのため、収穫、出荷の際に、水は厳禁なのです。キュウリやジャガイモを調理前に洗うように、食べる前に洗浄が必要です。(※一部水耕栽培メーカーのベビーリーフは水洗いなしで食べられるものがあります)


ちなみに昔からある袋入り野菜の代表「もやし」や「かいわれ大根」なども農作物。スプラウト生産の有名メーカー「サラダコスモ」では、洗浄について以下のように回答しています。


「土壌栽培ではないので、基本的に洗わずに食べても問題はありませんが、鮮度と保存状態・使用用途次第です。もやしやギャバ発芽大豆など、加熱するものは洗わなくてもよいのですが、その他、かいわれ大根、ブロッコリー新芽、アルファルファ、空心菜の新芽など生で食べるスプラウトについては、冷水で洗い、できるだけ早く召し上がってください」(サラダコスモ)


なるほど、自然界の菌と共存している私たち、基本的に農産物には水洗いは必須ということ。当たり前ですが、「水洗いしてください」と指示があるものは洗うべきです。


とすると、逆にカット野菜の主流となっている「洗わずに召しあがれます」という商品は、なぜ、洗わなくていいのか? むしろこちらの疑問の方が大きい。


「どうして洗わずに食べられるのか?」

キユーピーと三菱商事が1999年に設立した、パッケージサラダのシェアNo.1メーカー「サラダクラブ」に質問しました。

便利な「カット野菜」、どうして洗わなくてもいいの? 画像(10/6) 「サラダクラブ」の商品には「洗わずにそのまま召し上がれます」の表記

ここでもポイントは「菌」でした。野菜の表面についている雑菌を、低温管理された衛生的な工場で、行政の指導に基づいた殺菌、洗浄を行っています。ただ、皆さんが心配されるのはその洗い方。薬剤での殺菌後の影響が気になるところだと思います。


「野菜を洗う際に使用している薬剤は”次亜塩素酸ナトリウム”です。水道水の殺菌に用いられているものと同じのもので、行政より使用を認められています。野菜の表面を殺菌することが目的であり、漂白するものではありません。また、保存料、添加物は不使用です。製造工程の最後に冷水でよくすすぎ洗いを行っており、塩素濃度は水道水レベルであることは確認しています」(サラダクラブ)


つまり、ふだん水道水で野菜を洗っているなら、それと同じレベルの「次亜塩素酸ナトリウム」を意識する必要はないのです。実際、袋を開けても漂白剤のような匂いは一切しません。さらに実験では、工場での洗浄による栄養成分の流出量は、家庭の水洗い程度であることが判明しています。

むしろ、信頼できる契約農家から野菜を仕入れ、産地からスーパーまでずっと低温管理(コールドチェーン)を切らさない点こそが、野菜の鮮度を保ち、菌を増やさない重要なポイントです。


カット野菜の洗浄について、大阪万博のパビリオンにカット野菜を納めた、創業1970年の「清浄野菜普及研究所」という会社にもお聞きしたところ、同様の殺菌工程を行なっていました。さらに同社でも重要なこととしたのは、チラー水と呼ばれる摂氏1℃の冷水ですすぎ、そのまま冷蔵パッキング。コールドチェーンを切らさないこと。

便利な「カット野菜」、どうして洗わなくてもいいの? 画像(15/6) 野菜炒め用カット野菜

つまり、洗わないでそのまま食べるには、買ってから私たちが守るべきこともあるということが判明。

1.野菜室ではなく冷蔵室に保存すること

2.賞味期限内、なるべく早く食べること

3.袋を開けたら、すぐに食べること

これが、洗わずそのまま食べるためのルールです。


カット野菜、調理時間の時短になるだけでなく、皮や芯が含まれないため無駄もなく、その手軽さで需要は年々高まっています。また、野菜相場に左右されない安定の価格も魅力です。自分に合った商品を選んで賢く利用してみるのをお勧めします。

便利な「カット野菜」、どうして洗わなくてもいいの? 画像(21/6) サラダ用や炒めもの用など、さまざまなカット野菜が人気

私は、忙しい時にささっと使え、ストレスフリーで野菜を摂れるポイントを評価。サラダ用カット野菜とツナ缶を使えば、まな板を出さずに彩豊かなサラダそうめんが完成です。子どもが夏休みの毎日のお昼ご飯、安心して、ちょっとだけ楽をしてみてはいかが?


文:スーパーマーケット研究家・菅原佳己