バナナのカロリーや栄養素は? ダイエットに効果的な食べ方も紹介

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バナナのカロリーや栄養素を解説

値段が手頃で日常的に食べられ、最近ではダイエットや美容への効果が期待されているバナナ。けれど、フルーツには糖質が多く含まれているもの。「本当にダイエットに効果があるの?」と疑問を持つ人も多いかもしれません。そこで管理栄養士の牧野直子さんに「バナナのカロリーや栄養素」、そして「ダイエットする人にとっての効果的な食べ方」を聞きました。

▶︎教えてくれた人
管理栄養士・牧野直子さん

管理栄養士・牧野直子さん

料理研究家、管理栄養士、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。テレビ出演をはじめ、書籍の執筆や料理教室での指導、食品メーカーの商品開発などでも活躍。健康的なダイエットやメタボリックシンドローム予防のためのレシピが好評。
Instagram@naoko.makino.58


カロリーは? 糖質は? バナナに含まれる栄養素を解説

バナナ2本のカロリーは224kcalのため、ごはん小盛り1杯分のカロリーと同じくらいになる

バナナのカロリーは、2本でごはん小盛り1杯分

まず知っておきたいのは、バナナの基本的な栄養素です。そもそもバナナのカロリーはどのくらいあるのでしょうか。
「バナナの100gあたりのエネルギーは93kcal。1本120gとすると112kcalです。白米のごはんだと100gあたり156kcal、お茶碗1杯160gあたり250kcalですので、2本食べるとごはんの小盛り1杯程度になります」と、牧野先生。

では、バナナにはどのような栄養素が含まれているのか。また、ほかのフルーツとの違いはあるのでしょうか。

「100gあたりの栄養素として、ほかのフルーツと比べた特徴はタンパク質の代謝に関わるビタミンB6の量です。100gあたり0.38mg含まれるので、同じフルーツでも桃の0.02mg、スイカの0.07mg、緑のキウイの0.11mgなどと比べても圧倒的に多く含まれています。それから人間の体に必要なミネラルの一つであるカリウムや食物繊維、多くはありませんがビタミンCや葉酸などが含まれます」

バナナは果物の中では糖質が多い部類

ダイエットや食事制限をしている人が気になるのが糖質。「バナナ・ダイエット」という言葉が独り歩きしていることから、バナナは低糖質だと思っている人も多いようです。糖質はどのくらいありますか?

「バナナには糖質が21.4g含まれます。白桃は8.9g、スイカは9.2g、緑のキウイは10.8gと約半分程度なので、フルーツの中ではどちらかというと糖質が多いグループに属します」

バナナには糖質が多く含まれるということは、体重が気になる人はなるべく食べない方がいいのでしょうか?

「糖質は、私たちが体を動かす時のエネルギー源で、バナナはごはんやパンなどの主食の代わりになる食品ともいえます。主食を食べないと活発な活動が行えないため、適切な量を食べる分にはまったく問題ありません。バナナをはじめ、果物にも1日に摂るべき目安量(200gくらい)があり、それを超えてしまうと糖分の摂り過ぎになってしまうので気をつけましょう」

バナナはほかの果物よりカリウムが多く、疲労回復などにも効果的

バナナの栄養素を摂り入れることで体にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

「ビタミンB6が多いのがバナナの特徴です。タンパク質は体の中でアミノ酸に変換され、筋肉や内臓を作る材料になり、また、肌や髪に張りが出るなど美容面での効果もあります。

細胞内の脱水症状を防ぐ働きがあるカリウムもほかのフルーツよりも多く含まれています。カリウムは汗をかくことで失われてしまうので、肉体疲労時や熱中症の予防時に水と一緒に摂ることがおすすめです」

カリウムは余分な塩分中のナトリウムの排泄を促す働きがあります。また腸内では水溶性の食物繊維が余分なナトリウムを排泄するため、高血圧が気になる方にもメリットがあります」

バナナの栄養素のデメリットはありますか?

「大きなデメリットはないと思います。ビタミンCは、オレンジなどの柑橘類の果物と比較すると少ないですが、それでも1本で1日に必要なビタミンCの1/5は摂れます。足りない栄養素は、他の食品で補えばいいのです」

ダイエットを助けるバナナの食べ方

バナナを食べると痩せるのではなく、整腸作用が働くなど、体質改善につながる


「バナナを食べれば痩せる」ということではないので要注意!

最近よく耳にする「バナナ・ダイエット」という言葉。「朝食にバナナ1本と常温の水1杯を摂れば痩せる」といわれているものですが、管理栄養士の視点からはこのダイエット方法は正しいですか?

「その人のこれまでの朝食がどんな内容だったのか、朝食を食べる習慣があったかどうかにもよります。たとえば、最近バナナを食べるようになったという人は、整腸作用によってお通じがよくなり、結果としてダイエットになるといった効果は考えられますが、『全員がこの方法でダイエットできる!』『バナナを毎日食べると痩せる』と言い切ることはできません」

おやつに食べていたスナック菓子をバナナ1本に置き換えて摂取カロリーを減らすのがおすすめ

バナナをダイエットに取り入れるならどのように食べれば効果的ですか?

「1カ月で体脂肪を1kg減らすためには、計算上、毎日の摂取カロリーを約250kcal減らす必要があります。これまで1袋300kcalくらいのスナック菓子をおやつに食べていたところを、バナナ1本分(112kcal)に置き換えることで摂取カロリーを減らすことができます。普段から摂取カロリーが多い方は控えめに、栄養バランスを意識し、適度な運動を。なるべくゆるやかに体脂肪を落としていくことがダイエットの理想です」

チーズやハムなどのタンパク質と一緒に摂ることでダイエット効果が期待できる

バナナと相性のいい食べ物はあるのでしょうか。バナナとどのように食べれば、バランスよく栄養が摂れるのか聞きました。

「同時に摂るといいのは、タンパク質。朝食にバナナを食べるなら、チーズやヨーグルト、ハム、タマゴなどを一緒に食べるといいでしょう。そうするとより基礎代謝がアップして、ダイエット効果や夏バテ防止になります」

バナナが持つ栄養素の効果を高めるおすすめの食べ方

スムージーにして美容効果を高める

スムージーにしてミキサーにかけることで栄養素は変わりますか?

「バナナの栄養素はスムージーにしてもほとんど変化はありません。また、スムージーにするなら、小松菜やケールといった緑黄色野菜を加えることでバナナをはじめ果物全般に少ないβカロテンを補うこともできます。βカロテンは、肌に潤いを与えたり、抗酸化作用があるので美容に効果が期待できます。ただし、他の果物と合わせてスムージーを作る時は、果物の1日の目安量200gを超えると糖分過多になるので要注意です」

ヨーグルトを加えるとタンパク質も摂ることができる

「ヨーグルトを加えればタンパク質が補えるうえに腹持ちもよくなるので、おなかが空いてつまみ食いをするということも防ぐことができそうですね。カルシウムを含む乳製品と組み合わせることで、女性にとっては将来の骨粗しょう症の予防にもなります」

バナナを食べるのに最適なタイミングは、運動前や夕食前

皮をむいてすぐに食べられるのもバナナのいいところ。食事以外で手軽に食べるなら、どんなタイミングがいいのでしょうか。

「糖質にはブドウ糖、果糖、ショ糖などいろいろな種類があります。ごはんに含まれている糖はエネルギー源になるまで時間がかかる一方、バナナに多く含まれている糖はすぐにエネルギーに変わります。そのため、バナナは運動をする際のエネルギー補給に最適だと思います。エネルギーが足りないまま運動をすると筋肉を燃やしてしまい、基礎代謝を下げてしまうことになります。そうならないように1本バナナを食べてから動くことがおすすめです」

おやつにバナナを食べるとしたら何時ごろが最適ですか?

「12時に昼食を食べた場合、午後3時から4時頃には糖質が消費され、脳にエネルギーが行かなくなり、集中力が落ちてしまいます。夕食でしっかり栄養を取る前の補助食として小さめのバナナ1本をおやつに摂ることは、脳に栄養を送り集中力を高め、また、ダイエットに大敵の"ドカ食い"を防止するためにも効果的だと思います」


最近話題の「GABAバナナ」にも注目!

「gamma-aminobutylic acid」の頭文字をとったGABAを含む「GABAバナナ」が話題です。どんなバナナですか?

「『GABA』は発芽玄米に多い成分として注目を集めるようになったアミノ酸の一種で、ケールやパプリカ、納豆にも多く含まれています。GABAには血圧を下げる働きがあるといわれていて、これをバナナに取り入れた機能性表示食品が『GABAバナナ』です。血圧が高めの人は、普通のバナナの代わりに取り入れてもいいかもしれませんね」

日常的に食べるフルーツのバナナには、さまざまなメリットのある栄養素が含まれていることがわかりました。バナナの栄養素を知って、上手に食生活に取り入れることで、効果的なダイエットや健康的な生活に活かしたいですね。

バナナをおいしくヘルシーに食べるレシピを紹介!

手軽に食べられるバナナではありますが、少し手を加えるだけで、さらにおいしく食べることができます。簡単アレンジレシピとそれぞれのカロリー目安を紹介しますので、ぜひ日々の食生活の参考にしてみてください。(※レシピ単体のカロリーの目安になります)

基本のバナナジュース(目安:208kcal)

 基本のバナナジュース

ミキサーなしで簡単に美味しく作ることができるバナナジュースです。甘めの味が好きな方は、シュガースポットがある熟したバナナを使ってみてください。


シリアルバナナヨーグルト(目安:293kcal)

シリアルバナナヨーグルト

美肌を作れる、ヘルシーでおいしい究極のレシピです。時間がない朝にいかがでしょうか。


バナナホットケーキ(目安:240kcal)

バナナホットケーキ

おやつに喜ばれること間違いなしの、しっとりふんわりのパンケーキです。簡単に美味しく作れるため、料理が苦手な方にもおすすめです。


豆乳&バナナ、小松菜のジュース(目安:88kcal)

※上のカロリーにトッピングは含みません

豆乳&バナナ、小松菜のジュース

塩分控えめで低カロリーの美肌を作る究極レシピです。豆乳が入ることでまろやかになります。


超しっとりバナナブレッド(目安:210kcal)

超しっとりバナナブレッド

ホットケーキミックスとバナナで作れる簡単レンチンレシピです。


バナナロールスコーン(目安:156kcal)

バナナロールスコーン

焼けたバナナがとろりとおいしいお手軽おやつです。ヘルシーに至福のひと時を堪能できます。


バナナシェイク(目安:263kcal)

※上のカロリーにトッピングは含みません

バナナシェイク

お好みのトッピングで自分だけのオリジナルバナナシェイクが作れます。カロリーが気になる方は、ゼリービーンズ(2~3粒)がおすすめです。


手軽においしく食べることができるバナナには、さまざまな栄養素が含まれていることが分かりました。バナナの栄養素を知り、上手に食生活に取り入れて、健康的な生活を送りましょう。

取材・文=本嶋るりこ

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